夏休み特集 4:磁石の反発力とバネ
長野県内では、ほとんどの学校は夏休みは終わりましたが、もうすこし磁石で遊んでみましょう。
真ん中の柱はアルミニウムのパイプ。穴あき磁石を2つN極同士を向かわせて重ねています。反発力で上の磁石が浮いています。動画 1 です。押さえて離すと元に戻ります。あたりまえですが・・・。(動画で、「ザー」という音は天竜川です。)
くっつかないように、磁石をいくつも重ねるとどうなるかというのが、この 動画 2 です。
下に行くほど磁石の間がせまいです。上から受ける重さが下になるほど大きいからだと思います。
これは、リニアの模型です。浮いているように見えますが、本当は浮いていません。
ガイドウェイ部分の軸で車体を支えています。軸を中心に車体は左右に自由に動きます。
車体側の軸受
横から車体を押すと、車体は中心からずれます。押すのを止めると車体は元に戻ります。押すのを素早く止めると少しの間車体は左右に揺れています。 ⇒ 動画 3
穴あき磁石と輪ゴムのヨーヨーです。 ⇒ 動画 4
バネばかりに重りを吊るしてみました。 5㎏まで計れるはかりに1.9kgの重りを吊るしました。
重りを下に押し下げて手を離すと ⇒ 動画 5
力が加わると距離が短くなるのが磁石の反発力。力が加わると長さが伸びるのがバネ。どちらも「長さが」が変わります。磁石の反発力というのは、バネの働きと同じだと思います。揺れながら止まる、という点も同じです。ちょっとごまかしがあるので、変だと思った人は「オマケ」を先に読んでください。
JR東海さんは、リニアを紹介するサイトでつぎのように言っています。
(画面クリックで拡大)説明文は「車両はガイドウェイの中央を走行します。 車両が一方の壁に近づいた場合でも、超電導磁石と浮上・案内コイルの間に働く磁力により車両は常にガイドウェイの中央を維持し続けます。 磁力により左右にぶつかることなく、常に中央で安定して走行することができるのです。」です。
大事なことが書いてないと思いませんか? カーブを走ると車体には遠心力がはたらくはずです。カーブを走っている間は遠心力は働き続けるはずです。リニアはカーブでもガイドウェイの真ん中を走り続けると思いますか?
答えは、ノー。カーブで遠心力が働いている間は車体は外側に向かってずれます。「超電導リニア」をJR東海といっしょに開発してきた財団法人・鉄道総合技術研究所が編集した『ここまで来た! 超伝導リニアモーターカー』(交通新聞社、2006年発行)という本があります。119ページにそう書いてありますよ。「車両は常にガイドウェイの中央を維持し続け」るわけではありません。JR東海さんの説明にはゴマカシがあります。(参考)
さて、超電導リニアはバネの上にふわふわゆらゆら揺れながら走っているようなものとも思うのです。ある小学生にそう話したら、カーブで危ないねと言っていましたよ。
オマケ
上の 動画 5 で使った「ばねばかり」を分解してみました。「引きばね」が使ってあります。目盛り板の一番下とばねがつながっています。ばねのもう一方のはしはケース(右のパイプ)につながっています。ケースの上のはしが指針になっています。
「ばね」にはいろいろな種類がありますが、代表的なものとしては、引きばね(上)と押しばね(下)です。引きばねは、両端に輪っかが付いていて、引っ張れば良いのですからわかりが良いというか、力がそれるようなことはないですね。でも、力の変化で長さが変わるという点は同じです。
写真のように、クランプを使って、押しばねに左右から力を加えます。親指と人差し指ではさんでも同じです。
こうなっちゃいます。押しばねは、まっすぐ縮むような工夫をしないと使えません。扱いにくいことでは、磁石の同極同士の反発力と似ていますね。