更新:2018/01/21

どこだかわかるかな?

 高森町は2027年のリニア開業と同時に開かれる国民体育大会のカヌー会場を誘致しようと計画しています(参考)。本当のところは、リニアのトンネル残土をいくらかでも始末したいJR東海や国交省の提案にしっぽを振ったのではないかと非国民としては思うところでございます。

 予想図の画質の良いのが手に入ったので紹介します。


画面クリックで拡大。結局この施設の目的の中心は駐車場です。これからも自家用車中心の生活スタイルが今までと同じように発展するという考えが基にあるようです。豊丘村長のように、村の力だけで道の駅を作るほどの才覚が高森の町長たちにはない。しかし、豊丘には負けたくない。YAのこともあるし。豊丘村の場合、村内のショッピングセンターが道の駅内で営業するけれど、高森の場合は県外資本の商業施設に「にぎわい」を提供するだけでおわる可能性も高いです。

 問題は、予定地がどこだかわかるかな? ということ。下の航空写真ではどこになるのか?


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 あるいは、下の地図でどこになるかわかりますか?


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 リニアと同じで、本当に近所の人でもどこにどんなものができるのかなんてわからないと思います。こういう事業は、役所の机の上だけで決まるので住民は手遅れになってから具体像が分かるような仕組みになっているのだと思います。町民がいろいろ意見を言うと役場職員はだいたいは「まだ決まったことではない」といいますが、少したてば、あるいは人によっては「もう決まったこと」というわけです。取り付く島がない。住民の必要や要望よりは、役人の机上のアイデアの方が常に正しいという確固たる信念が今の公務員にはあるのでしょう。このカヌー競技関連施設について、町民の意見も活かすとは言っているのですが、協議会のメンバーに一般町民は入っていません。全部、充職(あてしょく)です。

 また、高森町はそんなに金があるわけじゃない、むしろよほど支出には注意しなくてはならない財政状況のはず。「欄ミュージアム」みたいになったらどうするのか?住民の生活に被害を及ぼす道路拡幅を、リニアのガイドウェイ組立ヤードの「誘致」を機会に、工事車両の都合が良いように、JR東海の費用でなく、町の費用でやろうというのですからあきれます。

 高森町は、ヤードは使用後にJR東海に買い上げてもらいたいといっている。実際にそういう交渉をしているのかどうかは分かりませんが・・・。残土置場が確保できないだけでなく、斜坑口の確保の出来ていないなど、工事の手はずは相当に遅れています。なかでも一部は全く見通しが立たないものも複数ある状況です。計画自体が無謀すぎたことは明らかです。リニアが完成できる見通しは絶望的で、少なくとも2027年に開業できるなどは甘い甘い。ヤードだって本当に具体化するかわりません。

 リニアとリニアを見据えたいろいろな計画が危ういものという判断こそが「町民目線」にたった判断だと思います。