更新:2018/02/22
いまさら、第1回リニア駅ワークショップ
「第1回リニア駅ワークショップ」というのが2月21日に飯田市役所内でありました。駅周辺整備構想案についてはこれまで説明会が何度か開かれてきていましたが、市からの一方通行の説明ばかりで、市民や利用者となるはずの周辺自治体住民との双方向的なコミュニケーションがなかったので・・・という佐藤副市長のあいさつがありました。ワークショップ開催の主旨については飯田市のHPにも説明があります(または、『南信州』1月21日紙面にも)。このワークショップで出された意見が事業の中で取り入れられるかどうかは分かりません。
一般住民ときちんとコミュニケーションをとるなら、もっとずっと前の段階でなければならなかったと思います。藻谷浩介さんという人は、飯田に来て、リニアの駅は現在の飯田駅に隣接しなければ意味がないと話されたそうです。そういう議論の段階でなされるべきだったかも。あるいは、高橋寛治さんという人が、こんなことをいってます。地域づくりについて、"「企業誘致」「Iターン」「観光」「交通環境の整備」は国主導の「あなた任せ」"と。ここまでいわれると、元も子もない話なんですが、これはリニア建設推進期成同盟会の出来た1973年(昭和48年)の時点で考えるべきことだったというい意味ですよ。駅の出来る上郷飯沼北条で移転対象者から「なんの相談もない」という声がいまになっても聞かれるというのは、一般住民ときちんとコミュニケーションをとってこなかったからでしょう。
思えば、1973年といえば、中央自動車道西宮線が開通する2年前の話です。伊那谷の夜明けと言われた中央道開通の2年前なのに欲張った話だったと思います。
いろいろな意見が出てきたのですが、設計を担当した方たちにすれば、やや不本意な印象があったようです。参加された方たちは、ほとんどはリニアに期待している方たちだと思うのですが。伊那谷らしい風景を活かすというような「コンセプト」に人気がない。むしろ都会的な方が良いという意見もでました。たたき台のデザインとはかなりかけ離れた、展望台のような目立つ建築物、タワーマンションの提案も。どこかに行って駅前の広場なんか気にしないでしょ、駅を目的に行くんじゃないから、乗換の機能がまず第一というような意見も。設計者としては駅を目的に人に来て欲しいということがあるようです。
駅のデザインが決まらないに、駅周辺のデザインを考える!?
現状の駅自体の仮のデザインというか、山梨実験線の防音防災フードのイメージは無機質すぎるという声も。伊那谷上空は飛行機の銀座通り。リニアの駅を夜間に飛行機から見えるような工夫をしたらという提案もありました。また、プロジェクションマッピングの提案も。中心になる駅自体のデザインは今もわからないし、飯田市側から何か言っても自由になる可能性もないとのこと。
駅前広場への不評に対して設計者は、駅が余りに巨大なので、周囲に空間を設けないと圧迫感があるみたいなことを説明していました。JR東海は環境影響評価でフードや高架橋など路線工作物のデザインが良いので圧迫感を感じさせないと言っています。じゃJR東海の言っていることは建築デザイン専門家からみてウソということなのか。周囲の景観に対して非常に異質なものができるので何とかしなくてはという話なのか。ワークショップ以前に出された市民の意見、伊那谷らしさを感じさせるとか、・・・というような意見はリニア駅自体の不細工さを取り繕うための空間を埋めるだけのことだったのですか?
(駅前整備に使う面積が6.5ヘクタールになるのは補助金の基準に合うように考えてるのではという声も以前から聞いていますよ。)
住民も利用できるような大きな図書館みたいなものがあればという提案。たいていの住民は乗り物としてのリニアなんか利用しないのに周辺開発を大規模にやろうとするからこういう意見が出てくるのだと思います。この発言を聞いて藻谷浩介さんの話を思い出したのです。町の中心が分散してしてしまう。
まちなかブログ 2011.08.01:リニア飯田駅併設を望む市民集会が開催されました トランスラピッドなら併設できたのに ⇒ カーブが苦手なJRリニア
遠山から参加された人もいました。地元の北条から参加した人もいました。約40名が4グループに分かれて討論しました。
報道関係者は冒頭だけで、退室させられました。リニアに期待している人たちが参加しているはずなのに飯田市やデザインにあたった人たちとの間で「夢」の部分でなんかしっくりいかない断層がある。これが記事にされてはちょっとまずいかなって感じですね。飯田市は駅周辺整備を本気でやる気があるのかなって感じ、これをやれば飯田が絶対良くなるぞという気概が感じられません。生兵法はケガの元。
参加者には、個別に次回のお誘いがあるようです。さて、どうしようかな?