更新:2019/01/15
むらと原発/リニアと大鹿
大鹿の十年先を変える会主催の「シリーズ・南アルプスから学ぶ会 第1回 むらと原発/リニアと大鹿」という集会が大鹿村の上蔵で14日ありました。講師はリニアの始発、品川駅近くにある明治学院大学の猪瀬浩平教授。『むらと原発』という本を書かれています。参加者は15名ほど。
高知県の窪川町(現在は高岡郡四万十町)の原発計画が「どのようにつぶれたか」というのが、この日の話の内容。タイトルは「高知県・窪川の模索 ~ 原発計画をもみ消すことと、その後」。「どのようにつぶれたか」ととらえるか「どのようにつぶしたか」ととらえるかが大事だと思いました。猪瀬さんは、窪川のできごとを「もみあいながら、もみけした」とまとめました。興味深い視点だと思いました。この話、私は、「どのようにつぶれたか」についての話と理解しました。
質疑と言うか意見交換の中で、この集会のチラシの中にある、柳嶋村長の発言について、参加者から主催者に指摘がありました。
次の部分です。
私たちの村の村長は、「リニアは迷惑施設」と言っていました。
だけど今は「何年かすればとん挫するのだから、道路ができればいい」と言っています。
この発言は、本当だとしたら、大変なことだから、いつどんな席で言ったのか、根拠をはっきりさせないといけないという指摘でした。リニアを推進する立場の方たちにとっては、たしかにトンデモない発言です。推進派の立場の方はこの点を明確にするように柳島村長に公の場でたださなくてはならないと思います。
また、関係市町村長だけが得られる極秘情報をもとに、「とん挫」すると言ったとしたら、「とん挫」するような計画のために用地のことで移転を迫られるなどあってはならないことです。大鹿村でも、すでに被害が出始めているのです。
反対派にむかって、皆さんは、どうせ「とん挫」すると思っているんだから、道路ができたのだから、その点は問題ないでしょ、という意味だとしても、人をバカにした発言です。
集会のあと、上蔵地区のオンベがあったので見学してきました。
子供の参加は少ないです。
神木というのかどうか、木の立て方が変わっています。三脚にして、その中心に一本立てています。
4本の木は、途中でノコギリで切って短くしてくべます。丸太は立った状態では最後まで燃えません。
次の写真(2枚)は、帰り道、JR東海の工事事務所大鹿分室のそばの小渋川の岸で準備中のオンベ。
この集落には子供がいないそうです。大人だけのオンベ。トンネル工事のJVの社員3名(オレンジのベスト)が手伝っています。オレンジのラインの青い服はJR東海の分室長。ここでは神木をつかっていないようです。下から竹を井桁に組んでいます。
次は、新小渋橋そばのオンベ。こちらも神木がないようです。ナワが2本はってあります。赤石岳が見えています。
次は、落合の取水口そばのオンベ。写真は2017年の撮影。こちらもナワが2本はってあります。
参考として。これは高森町の出砂原地区のオンベ。地面に穴を掘って神木を1本だけ立てています。今年は去年より小ぶりです。
左に見える生コンプラントは最近、設備を一新しました。ここから、リニアのガイドウェイ組立ヤードに生コンを運ぶらしいです。
ろくべん館そばのトンネル残土5000立米を活用した造成はほぼ完成していました。
大鹿村総合グランドのかさあげ工事です。約10万立米のトンネル残土が活用されます。残土の搬入が始まっていました。
赤いローラーで踏み固めます。ただ転がすのではなく振動をかけながらです。ダンプがあけた残土の山が2つ出来ています。一回で運べる量は意外に少ない。
工事車両のための迂回路の一番北の仮橋。ほぼ完成していました。
松除橋のそばの道端にサルがいました。
小渋線、半の沢付近の様子です。
小渋川左岸(画面奥)に、右岸(手前)に積まれていた県道のトンネル工事の残土を移動しています。去年の冬から(参考)続いているようですが、左岸の盛土が随分高くなりました。
下流から見たところ。
ダンプに積み込むのにどのくらい時間がかかるか計ってみました。ダンプが所定の位置にいて、バックフォーがシャベルで残土をすくって待っている状態からだと1分15秒程度で積み終わります。ここでは、シートをかけたりしないし、運ぶ距離が短いので、別のダンプがまっています。
新宮ケ瀬橋の桁が一つのさっていました。この橋を使って大鹿の残土を生田に運ぶ計画でしたが、生田における見込みはほとんどありません。
新宮ケ瀬橋の右岸の橋台のすぐ後ろに巨石があります。土石流で運ばれたものです。神様がまつってありますが、そのまんま埋めちゃうんでしょうか?
宮ケ瀬の天龍川の沈床の一部が流れで上流側が削れています。
背景は上蔵で見かけた青い石垣。⇒ オマケの画像