大鹿のリニア工事の最近の様子

 3月25日に大鹿方面に行って来ました。『信毎』29日によれば、28日の大鹿村リニア連絡協議会の席上で、小渋川斜坑は1150mのうち約1100m、除山斜坑は1850mのうち約820mを掘削したという説明があったようです。青木斜坑口は既存の残土の撤去が始まったばかりです。釜沢斜坑については保安林指定の解除をまっている状況でヤードの造成は始まっていないようです。

中川村・半の沢


写真の右側に積んであった県道トンネル工事の残土が左側に移動されています。このことについて、JR東海は事前に中川村に知らせていなかったので、中川村から抗議をされ謝罪しています。残土の移動は、まだ決定していない、残土を恒久的に置くための準備でした。写真の右の方に半の沢橋があります。


半の沢に架かる県道59号線の半の沢橋。この橋は幅が狭く、残土の搬出に使うには改良が必要と地元は指摘してきましたが、JR東海はシミュレーション結果では改良しなくても支障ないと主張し続けてきました。最近になって、沢に盛土をして県道を拡幅したいと言い出しました。そのために、リニアのトンネル残土約30万立米を活用するといっています。最初の写真に写っている残土約20万立米と合わせ埋め立てには約50万立米がいります。おそらく初めから、そのつもりだったので橋の改良は必要ないと言っていたのでしょう。


半の沢橋の上から、JR東海が埋め立てをしたがっている沢をみたところ。昔は沢の奥の方まで県道が入り込んでいた名残が見えます。JR東海が費用を負担した第三者の専門家による検討委員会でも慎重な意見が出ているほど、盛り土をするには危険性のある場所です。

小渋ダムの排砂トンネル


県道59号線の桶屋トンネル。選挙が近いです。この「トンネルの建設に功績のあったお二人」みたいなポスターがトンネルの左側に出ています。坑口の右の道路は旧道です。旧道から小渋ダムの排砂トンネルの入り口が見えます。


小渋ダムの排砂トンネルの入り口


小渋ダムをパスして


ダムの少し下に出口があります。なにかダムを造ればいろいろと解決するみたいなことが言われて方々にダムが出来たんですが、この辺りのダムはどこも堆砂の問題で困っています。排砂トンネルが解決策になるかどうか、下流の天竜川では、カワウや外来魚の問題だけでなく、これらの排砂に含まれるシルト分が石につく藻の生育を妨げるのでアユが育たないのではないかと言った声も聞かれます。

旧荒川荘跡地


旧荒川荘跡の様子です。残土の埋め立てが始まっていました。画面奥の三正坊橋を渡り左が、除山、釜沢斜坑方面、右が三正坊の残土仮置き場方面。


向こう側に三正坊の残土仮置き場が見えています。間に小河内沢があります。写真の上のほう、中央やや左の谷は小渋川の谷。


西側の法面。地滑り計かなにかがあります。


東側の法面のようす。これがジオテキスタイルによる補強盛土というやつなのか?


土砂を踏み固めるローラー。


残土を踏み固めるための小型のローラー。


タンパー。これはかなりうるさい機械です。


埋める土砂の大きさはさまざまです。

三正坊の仮置き場


残土置き場の塀の外側に残土を利用して道路が出来ていました。三正坊には小山があってそこに金毘羅様がまつってあります。その東西に残土置き場があって、その間の道路部分にも残土を置きたいとJR東海は言ったそうです(追加画像)。国交省は小河内沢の河原へ降りるための道を確保するよう指示したそうなのでこれがそれでしょうか。


三正坊の仮置き場の様子。手前のコンクリートのものは数年前にJR東海が水平ボーリングをした跡。山の斜面に見える釜沢集落の人たちに騒音で迷惑をかけました。マイクロバスの廃車の後ろに小山が見えますね。この山の上に金毘羅様があります。残土の山は金毘羅様よりはるかに高く積まれています。こんなことをしていると神罰が下ります。

日向休


釜沢と大河原地区の中心部を結ぶ県道赤石公園線の途中の日向休。赤石岳が見えています。空が白いのではっきりしませんが。JR東海は環境影響評価でこの場所を取り上げています。工事車両が通行するけれど、景色を眺める人の背後を走るので影響ないと評価しました。中央付近の谷底に見えるのは三正坊の残土の仮置き場です。影響評価ではここが見えることについてふれていなかったと思います。


谷底の小渋川をのぞきこんだところです。かなり険しい谷です。斜面の岩肌がむき出しになっている部分も見えます。リニアが橋梁で小渋川を渡る場所はここから西北に約300m、地図でみると、写真の場所ほど険しくないけれど、何となく微妙な場所。


上蔵・小渋川斜坑口付近


赤い屋根は長野県企業局の大鹿発電所。その右の黒いのが工事ヤード内のトンネル残土の仮置き場。手前の2つの灰色の残土の仮置きされた場所は変電所の予定地。この残土が片付かないと変電所ができません。


工事ヤード内のトンネル残土の仮置き場。なぜなのか外壁がかなり傷んでいます。景観を損ねています。 ⇒ 2018年2月の様子


以前から坑口の北側の斜面からの湧き水がヤードの後ろ側を流れていました。前見た時と比べ、水が溜まっているという感じがなくなりました。⇒ 2018年5月の状態(2018年5月の記事では、湧水は坑口の西側と書いていますが北側が正しいです。なお、この水はトンネル内部から出てきているものではありません。)


南側、発電所前から残土の山を見たところ。随分高く積みあげています。2018年7月と比べて残土の量が変わっていないように思えます。右側の道を歩いて最初の写真の撮影場所に戻れました。


残土仮置き場=変電所予定地の裏側の斜面には以前から崩落の対策がされていたようです。


この斜面からは水も豊富に湧き出ています。写真右の残土仮置き場には、かっては養魚場があったのですが、ほかに適当な条件の場所がないということで廃業されたそうです。地域の資源をいかした事業だったのに残念だと思います。


湧水を集めるパイプが多数見えます。


これは、残土仮置き場から少し北に行ったところ。道路左は何かの残土のように思えます。

青木


この街路灯の下あたりの地下をリニアが通過します。


街路灯になにか目印がつけてあります。所有者は長野県。


青木斜坑口の工事ヤード。写真の左手に斜坑口が来るはず。既存の残土の運び出しが始まっていました(追加画像)。


下榑渡橋(しもくれおどばし)そばで測量する人たち。


青木ヤードにある既存の残土を鹿塩地区の儀内路の構造改善事業に運ぶダンプが下榑渡橋を渡ろうとしています。

工事車両迂回路


仮橋の設置場所の地権者との協議が難航しいまだに使われていない工事車両の迂回路。左は文化財になっているコンクリート製の上部アーチ構造の小渋橋。この橋の上から赤石岳が見えます。だから写真左にビューポイントの看板があります。


新小渋橋の南から小渋川沿いの迂回路を走る工事車両。右の赤い屋根と青緑の屋根のあるのが中央構造線博物館。


青木川にかかる仮橋。左にろくべん館が見えています。


これは大西桜橋から迂回路を見たところ。向こうに仮橋。左は嵩上げ工事中の村総合グランド。


大西桜橋の西から村総合グランドへ入る道路を撮影。赤いダンプは上の写真の白いダンプが通るのを待っていました。


大西桜橋から上流側を見たところ。赤いダンプが走っていきます。迂回路とは言ってもかなり狭いです。すべての残土運搬車がここを通行することになっています。現状でも交互通行のために相当待ち時間があるように見えました。ピークで1日1500台以上の通行があると言われていますが、ほんとうに通すことができるのでしょうか。


村総合グランドの嵩上げ工事の様子。


最近完成した北側の仮橋。青木ヤードの既存の土砂を積んで鹿塩地区に運ぶダンプが走っています。道の駅の裏側から撮影。


追加画像

三正坊追加画像


三正坊の残土置き場の真ん中にあった川に下る道路が残土でふさがれていました。トンネル掘削による残土とは思えない風化の進んだ土砂が一部に見えます。

青木川斜坑ヤード追加画像


青木川斜坑ヤード・残土仮置き場の既存の残土。ヤード・残土仮置き場の一番北側の部分。