更新:2019/06/26

リニアトンネル陥没事故は阿寺断層

 4月28日の記事で、中津川市の山口工区の陥没事故について書きました。下の図を紹介しました。赤い線で断層が示してありますが、断層の名前を紹介していませんでした。これは阿寺断層です。


右下には「地すべり」の記号があったり、なにか怪しい雰囲気が…


都市活断層図の凡例より

 阿寺断層は地図の右下方向にさらに続いています。リニアは断層の地図上で表示が細くなる部分の西北を通過します。


地理院地図に加工

 政府の地震本部の「阿寺断層帯」を紹介します。一部抜粋引用します。

阿寺断層帯主部は岐阜県下呂市から恵那郡加子母(かしも)村(現・中津川市加子母)を経て、岐阜県中津川市北東部に至る断層帯です。全体の長さは約66kmで、概ね北西−南東方向に延びています。

 中津川市山口の陥没事故の場所も含まれます。

阿寺断層帯主部は、北部と南部の2つの区間に分かれて活動すると推定されます。その場合、北部ではマグニチュード6.9程度の地震が発生すると推定され、その際には1−2m程度の左横ずれが生じる可能性があります。南部ではマグニチュード7.8程度の地震が発生し、その際には4−5m程度の左横ずれが生じると推定されます。また、断層帯全体が同時に活動する可能性もあり、その際にはマグニチュード7.9程度の地震が発生すると推定されます。

 地震が起きる可能性については

北部は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層帯の中では高いグループに属することになります。

 しかし、中津川付近の南部については

地震発生確率: 30年以内に、ほぼ0% 

ですが、「地震発生確率値の留意点」によれば

活断層で起きる地震は、発生間隔が数千年程度と長いため、30年程度の間の地震発生確率値は大きな値とはなりません。例えば、兵庫県南部地震の発生直前の確率値を求めてみると0.02〜8%でした。地震発生確率値が小さいように見えても、決して地震が発生しないことを意味してはいません。
地震は、発生すれば甚大な被害を及ぼす可能性がありますので、日頃から耐震補強や家具の固定など、地震防災対策を講じておくことが重要です。

 JR東海は断層は最短距離で通過するから大丈夫と言っています。阿寺断層をほぼ直角に突っ切る路線計画です。地震で1m以上、最大で5mもトンネルがずれたら大変だと思います。新たに建設する鉄道路線の地震防災対策としては活断層の付近は避けるか、それができない、つまり直線しか走れない(走らない)交通機関であるリニアは国として認可しないこと。