更新:2020/02/20

松川工区のようす、2月16日

 南信州の3つのダムの排砂トンネルを見学するバスツアーがありました。伊那市の美和ダム、中川村の小渋ダム、飯田市の松川ダムです。松川ダムの吐き出し口から、リニアの中アトンネルの残土を搬出するための桟橋の工事現場が見えました。

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このページの最初の写真はだいたい逆の位置、クレーンのブームの背後の白い小屋の右上の道路から撮影しています(下の写真の三角印)。リニアの松川橋梁は右下の谷間にできます。松川ダムからリニアが見えるか見えないか? 松川橋梁はフードで覆われるはずなので、見えません。

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クレーンの位置が以前とほとんど変わっていないようです。

 どのダムも建設当初の予定よりダム湖に堆積する砂の量が多く、その対策のために洪水時に濁水をダム湖に入れないように、バイパストンネルがあります。松川ダムでは、直接重機で掘削した堆砂を運び出して、高森町山吹ほかに積み上げてあります。

 処分しなくてはならないダムからの堆砂が大量にあるのに、多分300万立米以上あるのに、これは当面どうにかしなくてはならないものなのですが、そこに割り込むようにリニアのトンネル残土の処分先を探そうというのは無理な話だと思います。

 飯田市がリニア関連の移転者のための代替地の造成工事は、はじめ松川ダムの堆砂を使うはずでしたが、地震の時に液状化を起こす可能性があるという理由で、リニアのトンネルから出てくる残土に変更しました。一方、高森町はリニア時代を見据えた企業団地の造成に松川ダムの堆砂を使いました。すでに進出企業との間で土地の売買契約はできたそうです。

 天竜川の上流の3つのダムで排砂トンネルで流しても、泰阜、平岡、佐久間、秋葉、船明(ふなぎら)など天竜川の本流のダムで貯めているので、渥美半島から駿河湾の海岸の砂浜が痩せてしまった状況を改善できる見込みはありません。