更新:2020/11/22

唯一の残土最終置き場(旧荒川荘跡地)

 長野県内のトンネル残土は全部で974万立米。建設認可から6年、この旧荒川荘跡地の3万立米が工事が完了したトンネル残土の最終捨て場としては唯一。住民の声で没になった置き場は642万立米。反対の声があがっているのが70万立米。新聞が確定したと書いているのが20数万立米(*)。これもリニア計画の困難。

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2013年11月:大鹿村釜沢、旧荒川荘(青い屋根)。右、木々の間から三正坊橋が見える。[2013-1114_3144]

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2018年5月:旧荒川荘 [2018-0504-8906]

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2018年5月:赤い手すり(三正坊橋)の左前方の林の中に旧荒川荘 [2018-0504_8903]

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2018年12月:敷地内の伐採がすんだ旧荒川荘の跡地 [2018-1215_0962]

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2020年5月: 県道から見た荒川荘跡地の残土の盛土 [2020-0518_8518]

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2020年10月:小河内沢側から見た残土盛土 [2020-1025_0396]

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2020年5月:三正坊橋と残土盛土 [2020-0518_8501]

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2020年10月:盛土の法面はかなり急角度。補強盛土に使うジオテキスタイルは合成樹脂。[2020-1025_0387]

三正坊の残土仮置き場

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2013年11月:釜沢集落から見下ろした三正坊。中央の平坦部は農地。右は小渋川。赤石岳が見える。[2013-1114_3148]

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2020年10月:残土の仮置き場になった三正坊の農地。残土の置いてない場所で、左は地権者の同意がないため、右は雨量観測所 [2020-1025_0595]

注:確定した残土処分先

* 「確定した残土置場が20数万立米」とは、この1年ほどの間に新聞記事が残土置場がないという記事の中で書いている数字。たとえば、『信濃毎日』2020年1月6日1面 "残土処分候補地8団体から情報 県の再募集に7市町村と建設事務所" は、「これまでに決定した処分地は大鹿村と喬木村の計4カ所で、受け入れ量は20.5万立法メートルにとどまる」、『中日・長野版』2020年1月24日1面 "リニア残土受け入れ難航 「土砂崩れ懸念」 候補地一転反対" は、「確定しているのは大鹿と喬木両村の二カ所、計十万立法メートルのみ。JR東海が検討する公共事業への活用も大鹿村の二カ所(計十万五千立方メートル)にとどまる」(計20万5千立米)。

 2020年11月現在ある程度まで確実になってきたと思われる処分先を下表にまとめてみました。実際に工事が行われてるかすぐにでも搬入できるところの合計は、27.5万立米(表で青背景の部分、☆印)。トンネル工事の進ちょくがおくれ始めているので、表の赤背景の部分の事業計画に遅れる可能性がでてくるかも知れません。特にガイドウェイヤード関係。

 この表のすべての量を加えても、長野県内で発生するトンネル残土の全量974万立米の四分の一にも足りません。

処分先土量
(単位・万立米)
発生場所小計・合計
(単位・万立米)
☆ 搬入工事が終わった場所

大鹿村・ろくべん館前0.5南ア
大鹿村・旧荒川荘跡地3南ア
大鹿村・総合グラウンド嵩上げ10南ア
(小計)13.5
☆ 現在搬入作業中

飯田市丹保北条代替地造成3.5南ア
(小計)3.5
☆ 準備工事開始
大鹿村・深ケ沢7伊那
(小計)7
☆ 搬入ルート自治体への説明あり
喬木村伊久間工場団地造成3.5南ア
(小計)3.5
◎ リニア計画内部での使用(まだ搬入していない)
豊丘村・JR東海の電力変換所造成7
喬木村堰下・ガイドウェイ組立保管ヤード造成7
高森町下市田・ガイドウェイ組立保管ヤード造成10南ア?
(小計)24
◎ 手続きが済んだ場所・最終処分先(未着工)
豊丘村・本山(ジンガ洞)130伊那
豊丘村・戸中(下沢)26伊那
飯田市下久堅小林20飯田
(小計)176
(合計)227.5

発生場所:どこから運んでくるのか。南ア=南アルプストンネル、伊那=伊那山地トンネル、飯田=飯田市内の中アルプストンネルや風越山トンネル。空欄は不明。伊那山地トンネルも飯田市内のトンネルも掘削は始まっていない。豊丘村の電力変換所造成の残土は、伊那山地トンネルの残土を使うのが手っ取り早いはずですが、豊丘村は戸中斜坑と坂島斜坑の残土を積んだダンプカーが里に下って来ないようにという理由で本山(ジンガ洞)、戸中(下沢)に決めたはず。大鹿からの残土なら県道18号から来るので、どこからも残土は運び込めない。

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