更新:2021/07/26
電磁波の影響は
リニアの「電磁波」の影響はと、いわれても正直言って私は分かりません。高圧線の下では電磁波が強いという人がいます。以前、電磁波の問題に詳しい人を招いた学習会で、講師の方は、高圧線から電磁波は出ているけれど、電線は2本とか3本並んで張ってあるので、それぞれから同じ強さで出ている電磁波も向きが逆になって互いに打ち消してしまうということもあるのでけっこう難しい問題と話しておられました。
で、JR東海は「磁界」については:
超電導リニアから生じる磁界は、さまざまな対策を施すことで、国際的なガイドライン(ICNIRPガイドライン)で定められた基準値以下に磁界を管理しているため健康への影響はありません。
基準値は人体への影響が生じる可能性のあるとされている磁界レベルの1/5~1/10程度の厳しい数値に設定されています。
超電導リニアは、車両や車内に乗り込むための乗降装置にも磁気シールドを設置することにより車内や駅ホームにおける磁界もICNIRPのガイドラインを大幅に下回っています。
また、沿線磁界に対しては、用地境界での磁界が基準値以下となるように用地を確保することを基本としています。(磁界への対策)
その対策の効果が十分であるか、ダメなのかは別にして、ともかく対策はやっています。その対策の結果どうなったかが問題。
磁力の弱ーい常電導のトランスラピッドと比べるとよくわかります。トランスピッドの乗り場は普通の電車の乗り場と同じで、プラットホームに横づけになった列車に、ホームからすぐに乗れます。
超電導リニアでは、ドアの近くに超電導磁石があるので、飛行機の乗降りに使うボーディングブリッジに似た伸縮式の特別の乗降装置があってこの装置に磁気シールドがほどこしてあります。常電導であれば不必要な設備です。おそらく乗降装置のコストからと思いますが、各車両のドアは片側1枚しかありません(*)。新幹線やトランスラピッドは各車両のドアの枚数は2枚です。「ないものは壊れない」といいますが、乗降装置が故障すればダイヤの乱れに、ダイヤの乱れは経営の乱れにつながります。
* 2018年4月当時のJR東海のホームページ、「L0系の設計」 (スクリーン・ショット)
超電導磁石のついている台車の上には客席がありません。これも磁界への対策です。新幹線や普通の鉄道では台車の上でも客席はあって、車体の室内全体が有効に使われています。新幹線に比べて約3割乗客数が少ないです。トランスラピッドの場合は車体の下側全体にわたって4つの台車がついていますが磁力が弱いので、やはり室内全体に座席が配置してあります。
その効果はともかく、磁界への対策によって、乗り物としての重要な乗客数、乗降りのしやすさという点で、マイナスが生じているのは明らかです。
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