更新:2024/06/26

「阿島北高架橋ほか新設」の工事説明会

 JR東海は、23日、24日に喬木村内でリニアの「阿島北高架橋ほか新設」の工事説明会を開催しました。伊那山地トンネルの名古屋方坑口から旧喬木協会のあったあたりまでの工事の説明会。

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 23日は喬木村の阿島北地区にある、阿島北消防コミュニティセンターで、24日は小川地区にある喬木村福祉センターで行われました。

 23日については、『信毎』と『南信州』の25日付に記事がのりました。

 24日に参加してきました。

 JR東海の説明は約1時間で、質疑時間では、家屋調査と、広域農道の歩行者の安全対策についての2つの質問が出ました。説明会は約1時間15分で終了しました。

 完成後の景観について説明もあったのですが、アセスメントで使った高森町の松岡城址や月夜平からのフォトモンタージュと、県道18号線からのフォトモンタージュが示されました。月夜平はかなり遠方からだし、松岡城址からのは手前の木立で肝心の阿島北地区がほとんど隠れているというもので、そりゃないでしょという感じでした。松岡城址では、アセスの少し後で手前の木立はリニアが見えるように地元の人たちが伐採しました。改めてフォトモンタージュを作り直せば良かったのに、それだけの余裕がもうないのでしょうか。

 10年前のアセスで使ったものが3つでそれ以外に別の場所からの視点で新たに作成したフォトモンタージュを4つほどスライドで見せたのですが、配布資料にはアセスで使った2つしかないというのは丁寧とはいえないですね。

 工事期間は、少なくとも2029年までかかるという説明でした。

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 工事車両の通行量や工事中の通行止めについての説明は、簡単に理解できるようなものじゃないですね。上郷の北条地区の方が説明会にでても、とくに女性のかたたちが、道路の名前でいわれてもどこのことをいってるのか分からないので、説明内容がほとんど理解できなかったといっていましたが、どこのどの道路なんだか、地元の人たちだっておそらく分からないだろうと思いました。こんな説明はダメですね。

 JR東海の長野県担当部長は来ておらず、挨拶は新しい工事事務所長の小池さんという方でした。報道関係は来ていないようでした。23日の夜は阿島北地区で説明会があったんですが、質疑時間の始めに、司会の職員は今日の説明会は阿島北地区対象なのでまず阿島北地区の方の質問から受けるといったのはちょっとお疲れかな?

 会場の受け付けで参加者は名簿に名前を書くようになっていました。名簿の住所の欄は「喬木村○○番地」となっていて、番地の数字だけ記入するようになっていました。受け付けの職員は村外でも良いというので参加させてもらいました。25日の新聞に23日の阿島北消防コミュニティセンター会場は非公開で報道陣は入れなかったと書いてありました。説明内容からすれば、べつに報道取材があっても問題ないと思うんですが…。(『南信州』25日1面 "阿島北工区 工期を29年3月末に延長 10月ごろヤード造成工着手へ"、『信毎』21日 "工期延長 喬木で説明 JR東海 高架橋など3年間")

ケーソン基礎に要対策土?

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スライドの一番下、"図中の『PC』は『プレストレスコンクリート』の略、『ラーメン』は柱と梁が剛結している構造を示します"。図中みれば、「箱桁」だとか「径間」だとか、ほかにも開設の必要な用語があります。一般住民向けの「丁寧な」説明といえるか?

 壬生沢川をまたぐ橋梁の一カ所で橋脚の基礎工事でニューマチックケーソン工法を採用するようです。ほかの橋脚の基礎部分は支持基盤まで掘削してコンクリートを打設するやり方です。

 ケーソン工法以外の工事の仕方も図解が示してありました。上郷の駅工事では、ケーソン基礎は東側の3基だけで、残りはケーソンではないのですが、正確には、要対策土を3基以外でも使うんじゃないのかとの質問に、要対策土を使うのはこの3つだけとJR東海はいっていたので、ほかの橋脚の基礎はケーソン工法以外のはず。普通の方法との比較という点で、上郷でも説明すべきだったとおもいますね。

関連ページ:飯田リニア通信 > 要対策土は橋脚の基礎部分に使用 (上郷の中間駅工事の要対策土活用反対の署名活動の背景を説明したページ)

 ニューマチックケーソン工法は圧搾空気を使うので基礎から半径1㎞以内の井戸などに空気が漏れ出ていないか調査する決まりがあるそうです。ケーソンから半径1㎞の範囲で井戸水の調査をするとの説明がありましたが、上郷ではそういう説明はなかったです。

 まさかとは思いますが、壬生沢川の「高架橋」のケーソン基礎に「要対策土」が中詰め材として使われるのではないかという点。上郷の駅部のケーソン基礎と同じように。この点について、24日には質問は出ませんでした。まあ、超電導磁気浮上方式でいきなり幹線路線を建設しようとすることが、そもそも「まさか」なんですから、やるかもしれないですね。土曽川の場合と地形の条件はにてますから。

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