更新:2024/07/02、2024/07/05 補足・訂正あり

「阿島北高架橋ほか新設」の工事説明会 その2

同じ工事方法について、JR東海の説明は地区ごとに違う

 豊丘村伴野地区(伴野区民会館)でリニアが壬生沢川を越す部分(「阿島北高架橋ほか新設」)の工事についての説明会が開かれました。

 同じ内容の説明会が6月23日、24日には喬木村で行われました(⇒ 24日の説明会)。

 いままでになく多数の住民が参加したようです。また、質問もこれまでより多数出され時間もかかったようです。開業時期がかなり先になることが確実になったことが原因かも知れません。

 壬生沢川を渡る部分で橋脚の基礎にニューマチックケーソン工法が採用されることについて、飯田と同じように要対策土を使うのかという質問に、JR東海は、「今は使用を考えていない、使用する場合は説明会を開く」と答えたそうです。きちんとした回答ではないですね。

 また、ケーソン基礎の周辺の井戸などへの空気漏れの調査について、飯田の中間駅のケーソン工事についても行うのかとの質問に、ケーソンの側に調査井戸を掘って水位水質の変化を見るとの答えだったそうです。半径1㎞範囲のという指定の意味は、既存の周辺の井戸について、という意味と捉えるのが普通でしょうから、なにか的外れの回答のように思います。*

* (2024/07/05) (2024/07/05 補足) 飯田市のHPで過去の説明会の資料を調べたところ、2022年9月27日の説明会で、JR東海さんは同じ説明(p84)をしていました。2月28日には説明していないですが、JR東海さんも忘れてたのかな。

ニューマチックケーソン工法は本当に必要なのか

 大鹿村、飯田、喬木や豊丘の説明会でケーソン基礎についての説明は、かなり異なっています。

 (1)飯田では、ケーソンの下部に作業員が入り掘削を行うという部分の説明は全くなく、つまり「ニューマチックケーソン工法」の用語も使われませんでした。中詰め材自体の危険性の少なさと、基礎部分から漏れだす可能性の低さの説明だけがされました。

 (2)大鹿村(6月4日)では小渋川橋梁の工法との関連で飯田(2月28日の説明会)では「ニューマチックケーソン工法」なので中詰め材として要対策土を用いるが、小渋川橋りょうは工法が違うので要対策土を使うことはないと質問に答えています。私が、飯田の工事について「ニューマチックケーソン工法」と聞いたのはこれが最初(*)でした。

* (2024/07/05 補足) 飯田市・上郷公民館の2022年9月27日の説明会で土曽川を渡る部分の3カ所で「ニューマチックケーソン工法」を使用すると説明していました(p10-13)。参加していたんですが、すっかり忘れていました。それでも2年も前の話ですから中詰め材の話だけにしぼったのは丁寧とはいえないでしょうね。ただし、(3)のケーソン工法でしかできない理由についての説明は2022年9月時点でもなかったと思います。喬木の場合もなぜケーソン工法を用いるかの説明はなかったです。

(2024/07/05 補足) 余談ですが、p12の図を見ていて、河川を斜めに渡すことで、将来、土曽川が氾濫した場合、この橋脚の向きは問題を起こすんじゃないかと思いますね。このあたりでは、道路などのはしる向きは、天竜川の流れる方向が基準として、流れと平行か直交するのがほとんどです。ほぼ直線のリニアのルートは天竜川を約60度の角度で斜めに渡るので方々で無理がでますね。

 (3)喬木(6月24日の説明会では、「ニューマチックケーソン工法」の工事のやり方の説明が詳しくされていました。「それ以外の橋脚の基礎の工事の仕方」についても説明がされました。どちらも飯田では説明のなかった部分です。

 (4)喬木の説明のあった「それ以外の橋脚の基礎の工事の仕方」で、土曽川付近の3つの橋脚の基礎は建設できないのかという疑問が残ります。

 また、「それ以外の橋脚の基礎の工事の仕方」と「ニューマチックケーソン工法」とどちらが費用がかかるのか、飯田のやり方は、わざわざ費用がかかる方法を選んでいるようにも見えます。とすれば、なぜなのか? JR東海は今後どれだけの要対策土が出てくるかは分からないといっています。要対策土の処理を場当たり的に行おうとしているんじゃないのか。豊丘の壬生沢川の橋脚のケーソン基礎にも要対策土を中詰め材として使用するつもりなのでないかという疑問が残ります。

人里近い場所で活用はしない?

 人里離れた豊丘の本山は要対策土処分の適地だとJR東海はいっています。そういう理屈で、壬生沢川のケーソンに要対策土使わないのであれば、飯田でも使うことは止めるべきです。逆に、JR東海の考えていることは、飯田でも受け入れてもらったのだから豊丘村も受け入れていただきたいということなのかも知れません。

 どうも、今の今になっても、JR東海の説明は、肝心のところが信用できません。こともあろうか、伴野地区の説明会では、JR東海の長野工事事務所長は、自分の挨拶が終わると居眠りをしていたようで、住民から態度が悪いと指摘を受けたそうです。

メディアを入れない意味

 参加者の感想として、質問者が委縮するので、メデイアを入れないと説明するけれど、この状況ではメデアを入れて一番困るのは、JR東海だとつくづく感じたという声もあります。説明の仕方が地区ごとに違っていることも、メディアが入って困る理由だろうと思います。また、JR東海の皆さんは元気がないと。最近の説明会では、JR東海の若い職員の顔ぶれが随分かわったという印象も受けますね。会社として、こんなリニアみたいなことをやっていて大丈夫なのかとも感じますね。

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