更新:2024/09/05
今日は何の日、1982年9月2日
あと10年といわれ続けて42年
『朝日新聞・縮刷版』を図書館で調べたら、1982年9月3日の1面に、"リニアカー有人走行 国鉄の宮崎実験センター 最高時速は262キロ" という見出しの記事がありました。9月2日に宮崎実験線で行われた、MLU001型の走行試験のニュースです。
超電導磁石を利用した浮上推進方式での有人走行は初めて
と書いています。当時、超伝導方式を開発していたのは、日本の国鉄だけですから、世界初ですね。だから、「今日は何の日」も「超電導リニア」で「世界初」とすれば良いはず。
「リニアモーターカー」とか「リニア」という言葉がふつうになってしまっています。「リニアモーターカー」には、常電導方式、超電導方式、空気浮上式、さらに鉄輪方式もあるわけです。「リニアモーターカー」として「世界初」の「有人走行」については先例がありました。
さて、JR東海や鉄道総合技術研究所や建設促進期成同盟会や山梨見学センターが「超電導リニア」で「世界初」と書いていないことを不思議だと思いませんか?
他の国ではどこもやっていなかったとしても、「世界はじめて」(世界初)に間違いない。
なにがあるのか?
1967年に発表されたアメリカのアイデアを、アメリカでもドイツでも研究したけれど開発しなかったのは、理由がありました。現在のJR東海や鉄道総合技術研究所も、アメリカやドイツが開発をやめた理由について、その通りだと内心思っているからではないのかと。筋のよくない技術を選んでしまったものだと思っているんじゃないのかと、思ってしまいますよね。
ところで、『朝日』の記事は、「国鉄は『昭和60年代の実用も化可能』としている…」と書いています。まあ、「…」以下がちょっと無理だろうなと思わせる内容なんですが、国鉄はそういっていたようです。昭和60年代というのは、1985年~1995年です。1982年(昭和57年)から13年くらいの間に実用化できると国鉄はいっていた!。
今年3月に亡くなった元NHKアナウンサーだった鈴木健二さんが司会をした1989年のテレビ番組(*)のなかで、1982年9月2日の有人走行試験で乗車していた京谷好泰さんが出演しています。京谷さんは、実用化について、「もう、あと10年以内にできると思います」と話していました。番組のタイトルも「鈴木健二の体験タイムトンネル 〜陸蒸気から2000年リニアエクスプレスまで〜」。
静岡県の川勝知事が辞職して、5月26日に新しい鈴木知事になりました。で、今年から着工できるのかと期待した人もあったんですが、3カ月過ぎても、結局、相変わらずの状況です。JR東海は、静岡の工事は10年でできると、最短で10年といったかも知れませんが、マスコミは、開業は10年後の2034年以降になると報じていました。
あと10年といわれ続けて42年
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