再検討:県道251号線(上飯田停車場線)
準備書。左右の矢印は私が書き込みました。後の説明で使います。先取りして簡単に言えば矢印の間の角度はJR東海が撮影に使ったと説明している35mmレンズの水平画角より広いのです。
写真A。28mm相当レンズで撮影。矢印の部分の近景と遠景の重なり具合が準備書の写真とできるだけ同じになるようにしました(三脚を使えない場所なので「できるだけ」ということです)。そのような位置を探したという意味です。左右が少し余計に写っていますが、ほとんど同じ写真になっていると思います。とりあえずここが準備書の写真が撮影された場所と推定できます。
写真B。同じ場所で35mm相当のレンズで撮影。左右の幅が準備書より狭くなっています。しかし、前景と背景の重なり方は同じです。
写真C。約1.8m後退して、35mmレンズで右側の柵、左側のガードレールの支柱を目当てにして、準備書の写真と見かけがなるべく同じになるように写しました。左右の端のほうの前景と背景の重なり方が違っています。
準備書の写真はどちらかといえば、35mm相当ではなく28mm相当のレンズで撮影されたと思われます。そこで準備書の写真の遠景の伊那山地の稜線に目印になる部分があるので(左右の黒い矢印)、写真Aの原版でこの範囲の水平方向の角度を計ると 56.4度でした。撮影位置の推定に5m程度の誤差があったとしても伊那山地までの距離は12kmほどあるのでこの数字は使えるはずです。35mmレンズの水平方向の画角は一般的には54度で、準備書の写真はより広い、56.4度プラスアルファの範囲が写っているので35mm相当のレンズで撮影されたものではありえません。以上のことを画像で示したのが次の写真。
写真D。画面をクリックすると少しだけ拡大できます。山の稜線に注目。赤い矢印の位置をそろえています。撮影位置が約2m変わっても水平方向の画角の変化はありません(1、2 と 3)が、レンズの焦点距離が変わると(3と4。3,4は同じ位置。)遠景が変化しています。3 よりは 4 のほうが大きく写っています。
写真E。奥の赤丸が準備書の写真撮影の推定位置(=1と2)。手前(=1.8m手前)の赤丸で3、4を撮りました。どっちの位置も縁石をまたいで左足を車道に出して撮影しています。
結論。準備書の写真は35mm相当レンズでは撮影できません。28mm相当より短いレンズで撮影された可能性が非常に高いです。