更新:2019/05/21
中津川・山口斜坑口付近の様子、5月2日
4月8日に中津川市山口のリニアの斜坑トンネルの上部の地上部分で陥没事故が見つかりました。5月2日に、事故のあった前野沢に行って来ました。下の地図の番号は写真を撮影した場所です。他の方たちも報告(参考)している通り、この沢(谷)はそこらじゅうに土石流によるものか、崩壊によるものかは、わかりませんが、大きな石がごろごろしています。
(1)潅水設備
(1)には、前野川から水をくみ上げて道路沿いに下方に農業用水を流すための設備がありました。ディーゼル発電機で稼働するものと思いますが、この日は動いていませんでした。「砂防指定地内行為許可標識」には「工事中の下流側農地への用水供給のため」と書いてあります。期間は2019年2月1日から、2023年3月31日まで。許可を受けたのは鉄道建設・運輸施設整備支援機構。
右の前野川から水をくんで、下の写真の黒い樹脂製のパイプで下流へ流す仕組み。
設備の南側の山林の中の様子。大きな石が目立ちます。
(2)前野沢砂防第一堰堤
道路脇の黒いパイプに沿って降りていくと、「前野沢砂防第一堰堤」がありました。この堰堤は、まっすぐでなく左岸側が曲がっています。
「前野沢砂防第一堰堤」
左岸から見た堰堤。下流に向かって中心部が飛び出ていて、これで良いということで設計したのでしょうが、アーチ式ダムとはなにか向きが逆のような。
堰堤付近、左岸側の山林の様子。やはり大きな石が多数あります。
(3)
ここで、潅水用のパイプと道路がわかれます。小さな流れがあって、ここにも大きな石があります。
田んぼがあって、農作業をしている人が左の方にいます。右の農家の敷地内でも、陥没事故後にボーリング調査が行われていたようです。この農家の直下を本線トンネルが通ります。
(5)
潅水パイプを追って行くと…
左にパイプが伸びている先の方に前野川があります。
前野川の様子(だいたい地図(4)の位置)。
(5)付近から沢の下の方をながめたところ。ボーリングのやぐらが2つ見えます(矢印)。写真は、陥没があった場所の方向に向いて撮影。
上の写真の右の矢印のボーリング(地図の(7)の位置)。
(6)陥没した竹やぶ
竹やぶの竹がなくなっているところが、陥没した場所と思います。竹やぶの中でもボーリング調査をしていました。
少し坂を下ったところから撮影。陥没のあった竹やぶは矢印の先の方です。背景にある家は、上の方で本線トンネルが直下を通ると説明した家。
家の石垣の管から水が流れ出ています。
その水は陥没現場の方へ向かって流れていました。
矢印は陥没現場。
右が陥没事故のあった竹やぶ。農家の方が草刈りをしています。すぐ左(下流側)には水をはった田んぼがあります。
(6)から少し下った(8)
手前に赤い杭があります。たぶん斜坑トンネルの上だと思います。
ともかくそこらじゅうに大きな石があります。
(9)
濁水処理施設の入り口付近。
(10)工事ヤード
うすいグリーンの囲いのあるあたりに斜坑口。車の見える道が谷の上流へのぼって行く道。
工事ヤードの遠方に乙姫橋が見えています。
(11)宮の外橋付近から
前野沢は「土石流危険渓流」。
工事ヤード
濁水処理施設予定地(造成中)
乙姫橋南の残土置き場
「東濃リニア通信(2018年10月29日 )」で紹介されていた、残土仮置き場も見てきました。乙姫橋の上から見えます。
遠方、丸の中に山口工事ヤードが見えています。
上と同じような写真ですが、周囲の塀の色に注目。外側は環境を配慮した(?)こげ茶色なんですが、こうして眺めの良い橋の上から見える内側は金属の地肌がむき出しです。撮影し忘れたのですが、残土仮置き場の右の木曽川の中には乙姫岩が見えます。
(googleより拝借) 橋の上から、残土置き場と乙姫岩がツーショット。
山口の工事ヤード付近は、以前は長野県木曽郡山口村でした。
参考=他の方たちの報告:
- 「東濃リニア通信」(5月12日):「山口非常口ヤードの状況」(5月11日)
- 「東濃リニア通信」(4月28日):「山口非常口斜坑トンネル崩落現場周辺の現況」(4月28日朝)
- 「東濃リニア通信」(4月22日):「岐阜県山口非常口付近の地質調査」(大石さん)
- 「東濃リニア通信」(4月13日):「山口工区陥没現場調査」(大石さん)
- 「東濃リニア通信」(4月10日):「山口非常口トンネル崩落」(坂本さん)
- 鉄道・運輸機構:中央新幹線、中央アルプストンネル(山口)非常口トンネルの 地上部土砂崩落について (4月8日)
南信リニア通信の関連ページ:
山口工区で6か所のボーリング調査
南木曽の坂本さんの報告(フェイスブックよりコピー)