更新:2019/08/27
第48回全日本天竜川カヌー大会
何も作らなくていい
何もない水辺であなたが楽しめば、
それだけで新しい風景が生まれる。
(気候変動対応力向上プログラム「水辺で乾杯2019」)
8月25日に高森町下市田の親水公園で第48回全日本天竜川カヌー大会が開催されました。今年は、天竜川かわまちづくり協議会によるイベント「天竜川を遊びつくせ!~水辺から見つける地域の未来」が同時開催でした。今回のカヌー大会では、始まって以来はじめて選手が死亡するという事故がありました。いまのところ原因は不明です(『信毎』26日)。
カヌー大会の開会式。ここは親水公園のマレットゴルフ場です。これまでは、少し上流の「かわせみの家(カヌーハウス)」の駐車場で開会式など行われていましたが、最近、リニアのガイドウェイ組立保管ヤードへの大型車両の通行がしやすいように道路を拡幅するため取り壊しになったこと、また、川の水位が非常に減ったこともあると思います。なお、道路の拡幅工事はまだ全く始まっていないのですから、なんか段取り悪いなという感じはします。
・関連ページ ⇒ 「かわせみの家」の取り壊し
開会式が終わって、町長はじめ町議などの記念撮影。飯田カヌー協会の会長(右から2人目)以外は、おそらく誰もカヌーはやりません。ほとんどは、やるとすればゴルフという人たちです。右から3人目が県カヌー協会の会長の熊谷県議。
大会本部まえに6枚のポスター(フリップ)があって、「かわまちづくり」とか「水辺リング」についてなど説明がありました。それぞれ、画面をクリックすると拡大します。
山吹地区の、国体のカヌー会場や「かわの駅」の予定地の写真のまえで話し合う、高森町長や熊谷県議ほか。何か造らなきゃ気が済まない人たち?
・関連ページ ⇒ どこだかわかるかな?
水位が非常に少ないです。スタート地点は去年より約200m下流でした。折り畳みいすの置いてあるところがスタート。
椅子に座ったスタッフがスタートまでカヌーのシッポを押さえています。スタートの合図で手を離します。これはカヤッククラスのスタート。亡くなった方もカヤックだったそうです。
川の護岸は、昔の石造りだった惣兵衛堤防をイメージしたもの。
「遊びつくせ」イベントのボルダリング体験。
子供向けのストライダー。
親水公園のカヌー発着場から大会会場方向を見たところ。ここは、リニア新幹線の環境アセスメントの景観への影響で主要な眺望点として選ばれた場所。
・関連ページ ⇒ 高森町、親水公園からの眺望
道路は町道7290号線。自動車の走っているあたりから先の方にリニアのガイドウェイ組立保管ヤードができる予定です。ガイドウェイ組立保管ヤードの場所は残土の処分先同様で、国交省から認可を受ける前にきちんと決まっていたものではありません。当然、認可前の環境影響評価の対象になっていません。リニア計画に必須のものであるのに。カーブミラーのある交差点から左へ入ると堤防上を通ってカヌー大会会場のマレットゴルフ場のある河川敷に入ります。JR東海は、同じように環境影響評価で天竜川のこの一帯を「天竜川親水施設」と呼んでレクリエーションの場所への影響を評価しています。ガイドウェイヤードに出入りする工事車両は親水公園利用者の出入りと干渉するし…
公園から工事車両の通行も見えます。JR東海は、工事車両は500m離れた国道153号線を通行するので親水施設の利用者に迷惑は出ないと、評価書で結論しています。ガイドウェイ組立保管ヤードをここに持ってくることは環境影響評価と矛盾しています。
・関連ページ ⇒ ガイドウェイ組立ヤードはアセス違反
堤防上から。ガイドウェイ組立保管ヤード予定地。カヌー大会は写真の左側で行われました。こういう環境だから気持ちよくカヌーもできるんじゃないでしょうか? それだけでなく、これからは、こういう環境の良い水辺の集落だから人が集まるだろうと思います。高森町でカヌーが始まったのは1970年代のはじめ。リニアの期成同盟会ができたのもだいたい同じころ。カヌーで町づくりと言われてきましたが、それで町に経済効果があるのかといえば、大したことはないのです。交流人口なんてのもこんなもので、まあそれでいいんですが、あまり欲をかいちゃダメなのであって、そのあたりが、何か造らなきゃ気が済まない人たちは分からないから困ってしまいます。
何も作らなくていい
何もないようにみえても
住民の歴史が作り上げた風景があるじゃないか