更新:2021/09/08
下市田ガイドウェイヤードのようす、9月5日
現在、高森町の下市田河原のガイドウェイ組立保管ヤード予定地に大鹿村からリニアのトンネル工事の残土が運び込まれています。7月に入ってから始まってほぼ2か月がたちました。
天竜川の堤防の上から工事のようすの全体が見渡せます。もともと水田地帯で平坦で見通しがきくので周辺の建物などで残土のおかれた範囲の検討がつけやすく、およそですが、残土がおかれた面積が推測できます。9月5日に見積もってみると、約23800平方メートルでした。積み上げたというよりは、まだ広げたという感じです。どのくらいの厚さになっているかは正確には分かりませんが、厚さが一番厚い場所でも60㎝程度で、ざっといって全体的にならしても30cmまではいかないと思いますが、仮に全体に 30cm の厚さになっていると仮定します。
積まれた残土の量を計算すると:
23800 × 0.3 = 7140
一応、ブルドーザやローラーで締め固めていますが、もとは岩ですから山の中にあった状態よりは体積が増加しているはずです。仮に1.2倍に増えているとして、もとの体積に戻すと:
7140 ÷ 1.2 = 5950
大鹿村内では、現在4つの坑口から残土が出てきます。そのうち、南アルプストンネルの長野工区では、釜沢地区の釜沢斜坑口、除山斜坑口の2つの坑口の残土は、道路事情の関係で地区内から持ち出せずに仮置き場においてあります。
小渋川斜坑口からの残土は昨年から村外への搬出が行われてきました。伊那山地トンネルの青木川斜坑口の残土も村外へ搬出できます。高森へきている残土は、小渋川と青木川の2つの坑口から出てきた残土だろうと思います。残土の色が2種類あります。
青木川斜坑口は斜坑を掘削中です。小渋川斜坑口は本線部分の先進坑を掘っています。それぞれのトンネルの掘削断面積は、80平方メートルと35平方メートルだろうと思います。7月1日からの掘削した日数を51日と仮定します。
仮に、どちらのトンネルも1日に、掘削の1サイクルに相当する1.2mずつ掘ったとすると小渋川斜坑口の分は:
35 × 51 × 1.2 = 2142
青木川斜坑口の分は:
80 × 51 × 1.2 = 4896
両方を合計すると 7037立方メートル と高森に持ち込まれた量の約1.18倍になってしまいます。1日の掘削する長さを1mにして計算し直すと:
35 × 51 × 1 = 1758
80 × 51 × 1 = 4080
合計で 5865立方メートル になり、だいたい持ち込まれた量と一致します。
ざっとの、また仮定の多い推定なので、あまりあてにならないですが、どちらもトンネルも約2カ月で 51m 程度掘削したともいえるのですが…。
しかし。
残土の色の比率は白っぽい、青木川斜坑口から出て来たものが2割程度のようにも思います。とすれば、残土の量は、小渋川斜坑口の分が 4692立方メートル で、青木川斜坑口の分が 1173立方メートル。小渋川斜坑の先の先進坑の掘削距離は 134m なので1か月当りでは 67メートル と順調に進んでいると思われます。
今のペースで、あと残り約670mはさらに約10か月かかると思うので、6月末に大鹿村のリニア連絡協議会の席上JR東海さんがいっていた、先進坑の残り 800m を年内に掘りたいという希望は、やはりちょっと無理だろうと思います。
一方、青木川斜坑は 1173 ÷ 80 ≒ 15 と約2カ月で 約15m しか掘れていないことになります。1か月当りでは 約7.5mです。こちらは、中央構造線のすぐそばというかそのものを構造線の方向に沿って掘削中です。この推測があたっているとすれば、青木川斜坑はこれまで、1か月あたり 約35~59m のペースで掘っていたので、ずいぶんぺーズダウンしていることになります。
もちろん、高森町以外の場所、中川村の半の沢に多少持ち出しているし、小渋川斜坑口そばの残土の仮置き場に置かれている部分、青木川斜坑ヤード内の仮置き場にある部分もあると思うし、それらの量は正確にはわかりません。青木川斜坑の分は深ケ沢の置き場に運んだ分もあります。それらの場所が7月以降は変化していないという仮定で、高森町のガイドウェイヤードの残土を見る範囲ではという話です。