小渋川斜坑口の現場を報道陣に公開 -「化粧木」がないよ

 7月3日午前中、大鹿村の大河原上蔵の小渋川斜坑口でトンネル工事の様子が報道陣に公開されました。報道各社は大西公園の駐車場に集合してJR東海の用意したバスで上蔵の小渋川斜坑口の現場に向かう。取材を終えたらまたバスで大西公園に戻るというスケジュールです。

『南信州』2017年7月4日:「小渋川非常口」掘削始まる 南ア長野工区で2カ所目 大鹿村

『信毎』4日によれば、「リニア工事に反対する村民たちは3日朝、村の主要道でプラカードなどを掲げて掘削開始に抗議した」ようです。また「当面はバックホーを使い」と書いているし、他社の写真を見てもバックホーが掘っていますから、後述のNHKの記事は間違っています。この記事の写真にはアームの先に削岩機のついた重機も写っています。

『毎日』

 公開されたのは、昨年11月に起工式のあった小渋川斜坑口。除山斜坑口と小渋川斜坑口の区別もわからないNHKさんも来てましたが、今回はJR東海がちゃんと現場まで連れてきてくれたのでまさか間違いはしないと思います(オイオイ)。実は、本格的な掘削開始はこちらが本当。4月27日の除山斜坑口は間に合わせのドタバタでした。しかし、今回は神事もなかったらしく、意外に地味な感じです。掘っても残土の置き場がないので、当面は最大3日分しか掘れません(下の写真の右の黒い建物内部に3日分置けるそうです)。


クリックで拡大。「リニア真理教小渋川サティアン!?」

 この白い塀は、高さ3m以上あります。外から内部は見えません。


 黄色いゲートより内側は一般の人は入れません。取材といっても工事ヤードの入り口から中をのぞくかっこうで映像や写真を撮影しただけのようです。『南信州』の記事の写真を見てもそれは分かります。


 多分ここでは、トンネル工事をするJVの説明を聞いたのだと思います。8時45分頃から9時半ころまでの取材だったと思います。


 バスに乗って大西公園へ移動してからJR東海の担当者に質問をしています。ということで終わりなんですが、ある記者さんに聞きました。坑口のアーチの上に「化粧木」がのっていたかどうか。『南信州』の記事の写真でわかるとおり、のってません。4月27日のドタバタと行った除山斜坑口の掘削開始でJR東海の発表した写真では「化粧木」はのっています。


 トンネル工事をする人々にとっては重要な意味があるものだそうです。

 昼までには時間があったので、橋の重量規制がされている釜沢の三正坊橋(昭和38年12月竣工)を見に行ってきました。問題の箇所は2本の橋脚の上部。亀裂ができていました。




 建設事務所が問題の部分にチョークで目印を書いています。


 この車で制限ぎりぎりといったところでしょうか?


 ここまで上がってきた報道関係が2社ありました。1社はABN(長野朝日放送)。橋の下で撮影しています。右端の黒背広の人は私の着く前から橋の所にいました。一人でカメラマンを待っているところでしたが、黒い服を着ているのでJR東海の社員と間違えてしまいました。この人が建設事務所に破損個所を問い合わせて教えてくれました。

 ついでに除山斜坑口も見てきました。


(5月7日撮影)「除山サティアン!?」(小河内沢左岸)

 5月7日に行ったときヤードの外部の小河内沢の川べりの斜面がなにかヤバイ感じに見えました。


 前夜(7月2日)ひどい雨が降ったためか、斜面になにか対策をしていました。


 目隠しの白い壁が一部はずされていたので斜坑口が見えます。まだ「化粧木」がのっています。トンネルの掘削は行われていないように見えます。


 生コンプラントのセメントのサイロが見えます。


 帰路みた、県道改良工事の「四徳渡トンネル」の斜坑口の様子。「化粧木」がのっています。


 これは、小渋ダムそばの県道改良工事の「西下トンネル」。坑口ができています。発破の音がトンネルに反響してすごいです。振動もあります。トンネル上部には集落があります。「化粧木」はもうのっていませんが前はのっていました


 ダム近くの拡幅工事の現場。こんな風に工事現場が見えないように塀を設置しています。塀の裏表が逆みたいな気がしますが、それはともかく、この塀が運転者の視界を多少なりとも邪魔することがあるのではと思いました。


 小渋線の道端で小渋川左岸に望遠鏡を向けている人がいました。野鳥の調査をしているそうです。どこの依頼でやっているかたずねると、そういうことは言ってはいけないといわれているそうです。リニア関連であることは間違いないと思いますが、JR東海のやるこことは、ともかく秘密主義です。大鹿では至る所に白い塀ができています。形はちょっと違いますが、まるでオウム真理教のサティアンみたいです。浮上関係であるし優秀な社員さんたちが先に立ってやっていること、科学的なおもむきがあること、一人のグルが独裁支配している点など、オウムと共通性はありますね。

(2017/07/04)

(2017/07/05 補足) 山梨県早川町新倉でリニアのトンネル工事現場が公開されたときのニュース記事の写真でも「化粧木」がのせてあります。

『朝日』2016年10月29日:山梨)リニア最難関のトンネル掘削開始 7カ月遅れで

(2017/07/11 補足) このページ最初の方で紹介した『南信州』の記事を「大鹿村の小渋川非常口は予定通り掘削開始された」と紹介しているページがありました。この坑口の掘削開始の予定は2月(『毎日』)でした。5か月遅れています。このページも紹介している『信毎』も工程は遅れていると書いている。『南信州』も予定通りなどとは書いていない。こういうのを予定通りと紹介するのは悪意があってのことと解釈するしかありません。

 『南信州』は、トンネルからの掘削土は「ヤードに隣接する別の仮置き場に移す。隣接する仮置き場の容量は15万立方メートル 」と書いているんですが、隣接するのは仮置き場ではなく変電所(インバータ)の建設予定地。村外の最終処分場が確保できない限りおいそれとは使えないはず。村内、ろくべん館前、村民グランドの造成に使えたとしても、その先は掘れないよ。だから地元では誰も3日しか掘れないといっている。

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