更新：2021/04/21
今日は何の日
今日は4月21日。『NHKラジオ』の「今日は何の日」で、2015年、リニア山梨実験線で試験車両が時速603㎞の世界最高記録を達成といっていました。当時の『日経』記事("リニア、時速603キロメートルを記録 世界最高速更新 JR東海が山梨で有人走行試験")によれば、JR東海はギネス世界記録の認定を申請すると書いています。何らかの国際的な鉄道技術の団体か組織が認定するものじゃないのですね。
それはそれとして、4月21日は、2017年にJR東海が、豊丘村の本山で、残土置場として使えるかどうかまだ決まっていない場所で希少植物の移植作業を行った日。
関連ページ
- 2017-0501:JR東海が残土置場候補地で勇み足
- 2017-0517:JR東海が残土置場候補地で勇み足(2)
- 2017-0502:JR東海が承諾なく残土置場候補地で希少種の移植作業、4月21日
- 2017-0516:JR東海の希少種移植のその後
- 2017-0522:緊急のお願い
- 2017-0601:本山の希少種移植 県知事がJR社長に環境保全で要請
- 2017-0725:第9回 豊丘村リニア対策委員会、7月20日
- 2017-0729:第9回 豊丘村リニア対策委員会、7月20日 (続)
第9回 豊丘村リニア対策委員会の乱闘の一コマは、傍聴した方からの情報にもとずいて書きました。後日、豊丘村のホームページに会議録が出ています。かなり内容を改ざんしてあります。
最近、第10回の会議録を読んで、ちょっと驚きました。
●会長 前回のリニア対策委員会で、委員から本山発生土置き場候補地内の希少種植物の移植について意見がありました。そこで、大半の方は解っていらっしゃったと思いますが、もう一度移植を 実施した事について再度説明を担当のＪＲ東海さん長野県さんからいただいて確認をしておきたいと思います。
●JR東海 前回質問がありました本山発生土置き場候補地での希少種植物の移植の経緯について改めてご説明させていただきます。本山発生土置き場候補地での植物の移植実施は、平成29年2月15 日に長野県に報告しました「影響検討書」（正式名称「豊丘村内発生土置き場（本山）における環境の調査及び影響検討の結果について」）において環境保全措置として、移植対象種として移植をするよう記載しています。その後翌日の2月16日に長野県の環境影響評価技術委員会で審議いただいています。この時には移植について議論はありませんでした。また、その結果を踏まえて4月18日に長野県より助言をいただいています。私どもとしては、4月18日に頂いた長野県の助言の中で、今回移植をした種に対して意見が無かった事、その前の技術委員会でも議論が無かった事から、4月21日に移植を実施しております。解りにくいとおっしゃっていたのは、5月17日に県助言に対する回答を私どもから長野県に返しております。この日より早いのがどうなのか？という事であると思います。4月18日の長野県の助言に移植に対しての意見はありませんので実施をしたという事でございます。
●長野県 県の助言に対する回答の前に作業をしたのはいかがなものか？という事に対して、所管している環境部に確認したところ「移植作業は環境影響評価法上違法性は無いが、県の助言に対する事業者側の対応方針が出される前に移植作業を行ったという事は、住民にとって非常に解りにくいので、今後は作業工程や内容について住民に丁寧に説明するようＪＲ東海さんに求めた」と聞いております。
長野県の環境影響評価技術委員会が移植について何も指摘しなかったのは、工事ができるかどうかまだ分からない段階で移植作業をやるバカはいないことは、極めて常識的なことなのだからだったと思います。
さらに、本山について正式の「環境調査と環境保全計画」がJR東海から出されたのは2019年の8月でした。環境保全計画の 3-37ページに、「現地調査の段階では、センブリ、フトボナギナタコウジュの位置は改変範囲に含まれる可能性があったため、平成28年11月に播種、平成29年4月に移植(センブリにも)を実施した。」ととぬけぬけと書いています。「環境調査と環境保全計画」の冒頭の概要でいっている通りであれば、移植作業は今年2021年の4月でなければできないはずです。
では、2017年の2月15日にJR東海が長野県に出した「影響検討書」というのは何だったのか？
長野県 ＞ 平成28年度第11回技術委員会
JR東海 ＞ 発生土置き場における環境の調査及び影響検討の結果について ＞ 豊丘村内発生土置き場（本山）における環境の調査及び影響検討の結果について
「環境保全措置の具体的な内容については、工区毎の環境保全の計画と合わせて工事着手までに報告、公表していく予定である。」と書いています。保全措置の具体的な内容と計画とを工事着手までに「報告」するとは、「報告」してから「計画」を「実行」するという意味だと思います。移植は工事が本決まり、つまり保安林指定の解除が決定した以後でなけれなければならなかったはずです。保安林指定の解除が確定したのが2020年の12月24日だったので、移植作業はそれ以後の適期、2021年の4月でなければならなかったはずです。
不正な移植があったのが2017年4月21日で、地権者である生産森林組合の不祥事を理由に長野県が待ったをかけたことが報道されたのが5月3日でした。
