※ 2019年5月から日付ごと(項目ごと)にIDをつけています(詳細)。
出来事・ニュース:2020年1月
1月31日(e) 『南信州』 "日言"。掘削マシンがいくら進歩したと言っても、トンネルを実際に掘る業者さんが「掘ってみないとわからない」と言っている南アルプスは恵那山トンネルの中央アルプスよりは難しいはず。新鋭の掘削マシンに期待するのは良いけれど、その感覚はちょっとずれているんじゃないかと…。コラム子はかなりの高齢者なのでしょう。恵那山トンネルの工事についてよくご存じのようです。『恵那山トンネル工事誌』というのが飯田下伊那の図書館にはどこにもあると思います。これを読むと、トンネル工事での湧水の問題がどれほど大変か分かります。特に資料編には、掘削の進ちょくが図面と共に詳しく記録されています。当時の機材は今とは違いますが、山中に水があるという点は変わりないのです。その水に全く影響を与えてはならないというのが静岡県。静岡県という山はそう簡単じゃないと思います。
1月31日(d) 『長野日報』 "交通の強靭化へ連携 東京~山梨・長野"。
1月31日(c) 『中日』 "JR東海 8年連続最高益 4-12月期 新幹線利用が好調"。/『南信州』2月2日 "純利益3%増で過去最高 JR東海 4~12月も新幹線が好調"。
1月31日(b) 『南信州』 "公民連携の在り方学ぶ リニア 見据えた街づくり講演会" は、29日のリニア中央新幹線建設促進長野県協議会とリニア伊那谷自治体会議主催の「リニア開業を見据えたまちづくり講演会」の続報。公民連携を企画推進する岩手県の「オガール」社長・岡崎正信さんの講演のタイトルは「まちの未来をこの手でつくる」。リニア開業に合わせた南信州のまちづくりについては、「土地の値段が安いというメリットを最大限に生かすことが大切」と指摘…「東京や名古屋でやっていることを飯田でやっても必ず失敗する」と持論を展開した
。「土地の値段が安い → 広大な敷地の工場 → 安い労努力」、という古い図式が見えるようです。「土地の値段が安い → 都市住民のセカンドハウス」だって、実は地元にメリットはないはず。なにか陳腐な話に思えます。三菱UFJコンサルタンツの加藤某さんはカジノがいいんじゃないかと言ってました。市川宏雄さんは、東京の人間の気持ちを引き付けるような何かというようなこと言ってました。リニアを最大限活かすとすれば、結局はカジノとかIRなのでは。しかし、これも地元にメリットがないことは明らか。昔から言われてきたように外部から見ればリニアについて伊那谷は通過地帯にすぎず、その点は駅ができるとは言っても、静岡県と同じ。飯田に呼ばれてアイデアをと問われても答えがないというのが正直なところではないのかと…。
1月31日(a) 『南信州』 "松川町 飯田市が運搬ルート説明 リニア対策委 中川・大鹿も了承受入れ"、『信毎』 "残土運搬経路 飯田市が説明 松川町対策委で"。29日に行われた、松川町のリニア対策員会の席上、飯田市が丹保・北条の代替地造成に使うトンネル残土の大鹿からの運搬ルートについて、大島の新井交差点を通過するルートにしたいと説明して、「松川町」が了承したというニュース。『南信リニア通信』は大鹿からの残土運搬経路について、宮ケ瀬橋から県道18号線、豊丘北小前で竜東一貫道路へ出て、明神橋を渡り、高森町町道7920号線・飯田市北部農免道路、土曽川右岸の道路を予想しました。飯田市が土曽川右岸の道路から代替地へ入ると説明していたので、大型車の通れる最短ルートを選べばそうなります。新井交差点から153号にでたとして、高森町の中の経路はどうなるのか? 吉田信号から左折、町道7290号線という経路、153号を共和まで行って左折、北部農免へ右折という経路、丹保・北条の代替地に国道153号から直接左折でダンプが容易に通行できる道路はないはず。町道7290号線は現在拡幅工事中、飯田下伊那の沿線市町村全体として工事の計画が杜撰。迷惑を受けるのは住民です。松川の説明会でも委員から批判の声は出ていたそうですが、対策委として了承しているという不思議な話です。記事を読む限り対策委員会で静岡の問題について話題にならなかったというのも、客観的な情報に基づけば意外です。
1月30日(d) 大井川の流量減少問題で、静岡県と国土交通省は新しい専門家会議の設置に合意。『静岡新聞』 "リニア問題、専門家会議の設置合意 静岡県、国交省に5条件" によれば、難波副知事は専門家会議の位置付けに関し「会議で決まったことが(県の判断に)強要されない」と強調
。静岡県が示した5条件は:(1)会議の全面公開と透明性確保、(2)議題は生物多様性や水環境などを含む、(3)国交省はJRに、データに基づいた適切で分かりやすい説明を促し指導、(4)中立公正に委員を選定。関係省庁の専門家や県の推薦者が委員に参加、(5)会議の長は県やJR東海設置の委員会関係者を除き、中立性を確保
(項目の番号は引用者)。『日経』31日 "リニア静岡着工 議論再開へ前進 27年開業は見通せず" は、県の懸念を除くことができれば、着工へ前進する。ただ、県は生態系への影響など広範な検証を求めており、2027年のリニア開業は見通せない。
、議論すらできない状態からは少し前進したが、課題は多く残っている。…(県は)5項目を要望し、このうちの一つとして生態系への影響など47項目の議論を求めた
。『中日・長野版』31日 "リニア工事環境対策 国と静岡県が会議設置合意"と『信毎』31日 "静岡県と国交省 新会議設置合意 リニア環境対策" は同じ記事で、難波副知事は「会議の目的は、国によるJR東海への指導だと明確にしていく」と強調。設置の条件として、議論の透明性や中立性の確保を求めたと説明した。
。長野県にも関係があるのに簡単すぎる。JR東海は静岡県との交渉の中で「掘ってみないと分からない」ので掘りながら対策を考えてくので掘らせてくれと言っています。許可の権限を持つ県として、県民の水、県の財産である南アルプスの環境に関わる事柄なので、科学的に完璧で納得できる対策を提示しない限りは、そんな計画は許可できないというのが基本にあると思います。見出しに「環境対策」という言葉を使うことで、逆に、静岡県には大井川の地下のトンネル掘削について許可権限があるという、JR東海にとっての最大の困難を積極的に長野県民に知らせようとする意図が見えなくなっているような気がします。全幹法の通過県は協力しなさいという規定と、河川法の規定とどっちが重いか。リニア建設で強制できるのは、鉄道用地の取得で土地収用法の適用を申請できることだけで、大深度地下利用についても、民法で決められた土地の所有権は侵害できない。河川を地上地下で横切る場合は河川管理者の許可が必要。国交大臣の認可があっても、許可の必要な事柄が沢山あります。それらは必ずしも許可になるわけでない。計画の段階でそれらが容易にクリアできるように路線や日程を考えた上で2027年に名古屋開業というのならともかく、分かり切っているはずの、トンネル残土の処分先がいまだにほとんど決まっていない、工事申請前に決定していなかったどころか探し始めてもいなかった、そんなことで、上手くいくはずないです。/『日経』30日 "リニア、静岡の膠着抜け出せるか 国と県が有識者会議 (前出紙面とほぼ同内容)"。
1月30日(c) 『信毎』 "「県信濃美術館」名称変更検討 事務局案は「県立美術館」"。
1月30日(b) 『静岡新聞』 "「ごろつき」発言、撤回して謝罪 静岡県知事、自民質問状に回答"。
1月30日(a) 『赤旗』 "リニアトンネル中止を 南アルプス100年で砂漠に"。
1月29日(b) リニア中央新幹線建設促進長野県協議会とリニア伊那谷自治体会議主催で「リニア開業を見据えたまちづくり講演会」(『南信州』30日 "リニア見据えたまちづくり講演会開く"、紙面見出し "機会増に期待 活用に課題 県協議会 リニア開業見据えて論議")。 パネル討論で、駒ケ根青年会議所の新井さんは「リニアは自分たちの力が及ぶ分野ではない」とし、駒ケ根の青年会議所では開業に向けた取り組みを行っていないことを明らかにした。また、リニア開業の影響について「日帰りできるようになり観光客の数は増えるが、客単価は下がりそう」と述べた。
、進行役の「オガール」(岩手県)社長の岡崎正信氏は、自身が岩手県紫波町のまちづくりに関わった経験から「行政の力で街の活性化はできない。…と指摘。
1月29日(a) JR東海がリニアの第一首都圏トンネルの北品川立坑から発進させるシールドマシンを神戸のシールドマシンの工場で報道関係者に公開(『中日』30日 "リニア工事 直径14メートルで掘り進む 国内最大級 マシン公開"、『信毎』30日 "リニア地下トンネル これで掘る"、"リニアトンネル 掘削マシン公開 JR東海 国内最大級")。
1月28日(c) 喬木村の喬木中の3年生67人が村議12人と懇談(『南信州』30日 "堰下の跡地活用も話題に 喬木中 村議会と村づくり語る")。リニアのガイドウェイ組立て保管ヤードの利用後の跡地について、生徒たちは、「リニア開通に向けて幅広い世代が村に集まるよう、大型のショッピングモールを設けてほしい」と提案した。議会側は、跡地が5.5ヘクタールになり村や議会などで検討を進めていると説明。「どう活用するかが村の明暗を分ける」とし、研究機関の誘致や展望台の設置などの案も紹介した。南信州広域連合で模索するアリーナの候補地としても手を挙げているとし「スポーツ観戦やコンサートができる施設はどうか」と議員らが尋ねると、生徒たちも好意的な反応を示した
(『南信州』)そうです。もともとはJR東海は、使用後は原状=水田に戻して返すと説明していたはず(他地域では農地を借用。原状に戻すため、用地の一部に耕土を積み上げて保管している例がある → 堰下は現時点ではそれに近い状況になっている)。今になっても跡地利用を中学生まで動員して考えているということは跡地について「空き地」になること以外に確たる見通しもないままにヤードを引き受けたことになると思います。アリーナ施設について、『南信州』は「検討」ではなく「模索」と書いていますね。
1月28日(b) 南信州広域連合議会が「アリーナ機能を中心とした複合施設」について意見書を連合長の牧野飯田市長に提出(『信毎』29日 "アリーナ複合施設 建設費用や時期検討求め意見書 南信州広域連合議会"、『南信州』30日 "広域連合議会 「議論の不足」指摘し意見書 アリーナ機能含む複合施設巡り")。
1月28日(a) 静岡県の川勝知事は会見で、有識者による新たな会議を設置するという国交省が提案を条件付きで受け入れる姿勢を示す(『信毎』29日 "静岡県知事、国提案の新会議受入れへ"、『日経』29日 "リニア工事の有識者会議 静岡県、受け入れへ"、『中日』29日 "リニア新会議設置 静岡県受け入れ")。/『静岡新聞』 "リニア問題、国専門家会議受け入れへ 新設提案に条件付きで調整" 中立性を担保するために(1)県有識者会議の委員を専門家会議メンバーに入れる(2)議論を公開にする―などの条件を付ける考えを示した。
、国交省が専門家会議の論点として挙げた(1)トンネル湧水全量の大井川への戻し方(2)中下流域の地下水への影響-の2点だけでなく、県が「引き続き対話を要する事項」としてJRに求めた47項目について議論することを条件とする方針も示した
、23日夜、共通の知人である矢野弘典ふじのくにづくり支援センター理事長を交えて国交省の水嶋智鉄道局長と会食したことを明かし「水嶋氏は国交省とJRは別で、JRに厳しい指導をすると言っていた」と述べた
。/ 『産経』 "リニア水問題 国交省鉄道局長が静岡県内10市町訪問へ"。
1月27日(c) 静岡県内外の科学者10人によるサクラエビ再生のための専門家研究会(『静岡新聞』 "サクラエビ再生、行動計画作成で一致 静岡で専門家研究会初会合")。
1月27日(b) 静岡県の難波副知事とJR東海中央新幹線推進本部の水野孝則専務が、静岡市で開かれた商工会議所連合会の勉強会でリニアの環境影響について双方の主張を述べる。『テレビ静岡』 "「両方ともわかる」リニア問題 県とJRが経済団体に説明 静岡"、『静岡朝日テレビ』 "JR東海『大井川の水は減らない』 静岡県『全部は分からない』 県とJRのキーマンが火花 リニア新幹線着工問題"、『静岡新聞』28日 "リニア問題、財界に説明 静岡県副知事とJR、認識違い浮き彫り"。『テレビ静岡』の書き起こしの 28日は県商工会議所のメンバーが双方から直接主張を聞きました。
は動画では「今日 = 27日」。また、JR東海のプレゼンテーションの中では、"リニアのある日本:リニアのある未来" みたいな動画も使ったようです。静岡の経営者の皆さんが水野専務の説明で納得できるかどうか? JRは、説明の大半を、これまでの実績やリニアの開通が与える経済効果に費やしました。▽県商工会議所連合会・酒井公夫会頭 「両方とも分かるわけですね。ですから、それをどっちに傾いて、どっちがどうのこうのっていうのは今はふさわしくないんじゃないかなと」
(『テレビ静岡』 動画に基づき一部字句訂正)。飯田下伊那の同様の立場の方ならこんな「公平」なコメントは述べないでしょう。JR東海は結局これまで各地で繰り返してきたあまりに中身のない説明しかできていないように思います。
1月27日(a) 「東濃リニア通信」に中津川市内、瀬戸斜坑口ヤードの造成の様子について報告が掲載されています。 ⇒ "「瀬戸非常口ヤード・瀬戸地区残土処理場の現況」(1月26日)" 造成工事で出土する巨石の処理(破砕しないと搬出できない)に苦労しているようです。
1月25日(b) 『静岡新聞』 "リニア水問題 突発湧水「予測は困難」 JR、再回答で明記"。
1月25日(a) 「学輪IIDA全体会公開セッション」、13時30分~14時、会場は座光寺のエスバード。立教大学教授/ESD研究所所長 阿部治 先生(会場 B棟2階 B202) 「国連持続可能な開発目標(SDGs)とその視点から見た地域創生」 ほか。詳細は ⇒ 学輪IIDA>令和元年度 学輪IIDA全体会公開セッションを開催します
1月24日(e) 『南信州』26日 "人材養成など22項目 連合飯田地協が提言、要求"。連合飯田地協が飯田市政への提言・要求をまとめ牧野市長に提出。国の政策にとらわれることなく地方独自の政策を明確化し、地域全体で取り組むことが重要とし、人材育成など22項目にわたって求めた
、2027年開業を目指すリニア中央新幹線について、トンネル工事に伴う大井川(静岡県)の流量減少問題に触れた上で「(計画通りの開業には)住民の理解を得ていくことが必要不可欠」と指摘。JR東海との意思疎通を図り、住民に寄り添った対応を求めた。
1月24日(d) 東筑摩郡生坂村の上下水道運営委員会の席上、藤沢泰彦村長が、老朽化した水道管について、「地震が来た方が一気に直せますけどね、災害復旧(費)で」「破裂すれば一気に直せる」などと発言
(『信毎』25日 "「地震来た方が一気に直せる」 生坂村長 水道管老朽化で発言")。こういう発言には批判が出ると思うのですが、リニアの残土を引き受ければ、道路が改良できるとか、リニアを見据えてというのも、基本の部分では同じではないかと思いますが、ほとんど批判はされません。
1月24日(c) 午前10時に、豊丘村の住民有志が、飯田市内の長野県合同庁舎の長野県林務課を訪れ、三沢課長に本山の残土置場についての要望書を手渡す。 ⇒ "本山リニア残土置き場計画について、保安林解除の県審査手続きをいったん止め、村当局が地元・下流域住民の合意を十分に見極めるよう長野県として豊丘村当局への働きかけをお願いします。"
1月24日(b) 『信毎』23日 "静岡のリニア工事 有識者会議「有効」 JR東海社長"。『中日』23日 "静岡のリニア工事 有識者会議「有効」 JR東海社長" では、有識者会議の新設には静岡県の川勝平太知事も「これしか(案が)ないのではないか」と前向きな姿勢を示している
と書いていますが、大井川流域の市町の首長と静岡県の意見交換についての『静岡新聞』の記事 "リニア水問題で知事・流域首長会談 国提案「中立性に疑念」" を読むと川勝知事が、『中日』の伝えるような発言をしたのか疑問。『産経』24日 "リニア「地元は甘くない」 難波副知事、国交省を電撃訪問 静岡" によれば、県としては国が提案した新しい会議の設立には応じる方向で検討している
けれど、20日に開かれた流域10市町の首長との意見交換会で「大井川の水は命の水。一滴も譲れない」と国やJR東海に対する厳しい意見が出されたことを報告。「皆さんが思っているほど地元は甘くない」とくぎを刺した
そうなので、これを見ても、『中日』は静岡の雰囲気を正確に伝えているのかどうか。また、愛知県の大村知事は新たな会議体について時間稼ぎと批判していますね。
1月24日(a) 『静岡新聞』 "リニア、新専門家会議「公平に」 国交省、流域市町の納得重視"。
1月24日(f) 「アリーナ機能を中心とした複合施設」について検討していた南信州広域連合議会の検討委員会が検討結果を全員協議会で報告。不明な点が多く、具体的な結論を導き出すのは困難と指摘
、事業実施の有無を現段階で判断するのではなく、整備費や運営費、公設民営を含め十分な検討が必要とした。リニア開業後も選択肢に入れることも求めている
(『南信州』25日 "広域連合議会 複合施設巡り意見書 検討委「不明な点が多い」")。
1月23日(e) 長野県は2月て例会に提出する新年度当初予算安のうち建設部や環境部関係などの知事査定結果を公表(『中日』 "建設部はリニアに525万円 県新年度予算案、知事査定速報")。
1月23日(d) 豊丘村のリニア対策委員会。19時より、健康福祉センター(豊丘村)。 ⇒ 詳細 / 『中日』25日 "残土置き場の計画示す JR東海 豊丘のトンネル非常口"、『信毎』25日 "豊丘・戸中 残土 処分で村対策委 林地開発協議書届け出終了"、『南信州』25日 "戸中計画地の概要を説明 残土置き場 豊丘村のリニア対策委"。
1月23日(c) 大鹿村のリニア情報のページに、12月18日に開催の大鹿村リニア連絡協議会の報告(リニア中央新幹線情報No.44)が掲載されました(1月15日掲載)。年末年始を挟んだとしても、この程度の報告を載せるのに、これほど時間がかかるというのは何故なのでしょうか? 面倒見切れないような事業を引き受けるからだと思います。
1月23日(b) リニア残土の処分が予定されている豊丘村の本山(ジンガ洞、130万立米)他について、盛り土の崩壊時の下流域への災害を心配する村民有志が、387筆の署名とともに、23日午後1時、村民へ広く情報を知らせるなど慎重な対応を求める要望書を下平村長に手渡す。⇒ 『飯田リニア通信』 / 『朝日』長野県版24日 "リニア残土置き場 「住民合意 不明確」 要望書と387人の署名 豊丘村長に提出"、『信毎』24日 "残土搬入 豊丘で改めて合意を 本山の処分計画地 有志が要望書 村長は応じず"。/『中日』 "情報公開求め署名提出 「なぜ上流に」住民不安の声"、『南信州』 "「下流の不安受け止めて」 豊丘村 残土置き場に署名提出"。
1月23日(a) 高森町の広報1月号に、牧野光朗飯田市長と壬生照玄高森町長の対談(抜粋)。 牧野さんは、飯伊にとっていま一番大きな課題は、コミュニティーの維持です
と言っています。上郷北条や座光寺中河原などでは、飯田市長が飯田にリニア駅をもってきたいがために、多数の市民が移転を迫られ、コミュニティーがこわされようとしています。北条で何度もあった説明会に牧野市長は2回しか出ていないと聞きます。言うこととやることが違っているので出るに出られないのでしょう。
1月22日(b) JR東海の金子社長が会見。(1)南アルプストンネルの工事の遅れを取り戻すために長野・山梨工区を静岡県内に延長する可能性は否定しない。(2)国交省が提案した県の有識者会議とは別の専門家会議については有効(『静岡新聞』23日 "リニア・トンネルの工区変更、可能性否定せず JR東海社長")。『東海テレビ』 "2027年開業予定も…リニア静岡工区の未着工問題 “有識者会議で工事検証”国の提案をJRが歓迎" 、22日の会見で、金子社長はさらに「静岡県が設けた専門部会では私どもの説明について理解が得られず、膠着した状態になっている」と振り返り、今回の国の提案による事態の打開に期待を寄せました。
。『静岡朝日テレビ』 "こう着状態のリニア新幹線着工問題 JR東海は専門家会議設置に前向き"、国交省が提案した新たな専門家会議の設置についてJR東海は前向きな受け止めを明かしました。▽JR東海 金子慎社長:「早期の開業に向けて事柄を進めたいという気持ちでいたので、いろんなことが今とまっている状態だったので前に動き出してほしいと思っている」
、また、大村知事の20日の発言を、愛知県・大村知事:「よく川勝知事はタイムスケジュールは変えられるというが、タイムスケジュールは変えられない。必達の目標だと思う」▽新しい会議を設置する動きについても、開業予定を絡めた注文を忘れませんでした。▽愛知県・大村知事:「また新たに会議体を作ることは我々からみると時間稼ぎしているように思えてならない。それはダメ。タイムスケジュールは変えられない」
と国交省の提案を時間稼ぎと言っているように思えるのですが(⇒ 大村知事の会見)。
1月22日(a) 『朝日』 "世界発2020:韓国鉄道 「独立」の象徴へ大改修"。間違って見える「いいつたえ」の背景には「歴史的な事実」の「本質」があるという話。高速化でソウル一極集中を緩和する狙い…
という「決まり文句」。交通機関のスピードが遅いと一極集中が起きるという法則があれば、それで解決できると思います。一方、リニアでは、人口6800万のメガリージョンができるのだと言ってます。しかし、昔風にいうと京浜工業地帯、中京工業地帯、阪神工業地帯に、すでに6800万の人口が集中してる(※ )わけで、すでにメガリージョンはできている。 交通機関の高速化は、一極集中の緩和にも加速にも役立つ? (※ Youtube・リニアほんと通信 "【識者インタビュー】経済学者・橋山禮治郎先生に聞く、必要か、リニア新幹線"、7分50秒付近から)
1月21日(f) 静岡県議会の自由民主党県議団が「県議の資格ない」発言で川勝知事に公開質問状を提出(『静岡新聞』 "「県議の資格ない」発言で川勝知事に公開質問状 静岡県議会自民")。 環境問題より面子を重んじる自民党支持者に期待か?
1月21日(e) JR東日本は、東北・上越新幹線の高架橋の柱367本の耐震性診断にミスがあったと発表(『信毎』 "新幹線高架 耐震診断ミス JR東 東北・上越で柱367本 北陸新幹線通過区間も120本"、『乗りものニュース』(時事) "新幹線高架橋で耐震診断ミス=東北・上越の柱367本―JR東")。 JR東は「速やかに耐震補強を実施する。ご迷惑とご心配をお掛けし、深くおわび申しあげる」とコメントした。
そうなんですが、JR東日本のHPのニュースリリース "新幹線ラーメン高架橋柱の一部耐震診断誤りに伴う追加工事について[PDF/275KB]" を見ると、…速やかに耐震補強を実施いたします。ご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。
になっていますね。伊那谷とは、関係ないけど、北陸新幹線(長野新幹線)が走る部分もあるようです。
1月20日(d) 下條村の「リニア中央新幹線関連工事対策協議会」の第2回(『南信州』 "下條村でリニア関連工事対策協議会")。会の名前に「対策」がついているのがハテナ。残土処分地のある他町村では、対策委員会や連絡協議会など、リニア建設に関連して設置された会は、工事中の安全対策や、処分地がある場合は処分地の安全性を第一に考えているようです。そして、松川町生田の中山(30万立米)とか駒ケ根の中沢(20万立米)以外は、公共事業での活用する場合の他の、残土捨て場としての処分地の後利用を考えているところはないようです。中山は復田して構造改善することよりは、本当のところは、残土運搬のために道路が改良されることが目的。ところが、下條村は、谷を埋めて観光関連の開発を狙っているようです。候補地の火沢は阿智原断層があって、単なる処分地とするならともかく集客のための施設をつくるのはどうなのかなと思います( ⇒ 関連ページ 谷埋め盛り土造成地は使えない ~ 山梨実験線で実証済み)。記事によれば、地権者に測量について了承を得た段階で、まだ村が取得していないようです。他町村の会合が公開で行われているのと比べ、下條と中沢(※)は非公開という点も違っています(※ 2019年10月15日、2019年11月22日 のどちらも冒頭以外非公開)。/『中日』22日 "工事費や役割分担 JRと協定策定へ 下條村で対策協議会"、『信毎』22日 "下條村とJR東海 残土で協定締結へ 対策協 役割明確化で"、『南信州』(22日紙面) "下條村 残土活用 年度内に協定 松川工区の100万立法メートル 来年度に用地測量"。
1月20日(c) 愛知県の大村知事が会見(『NHK・静岡』 "リニア27年開業「必達の目標」")。 リニア中央新幹線をめぐっては、▽静岡県が12月、国土交通省とJR東海との3者協議に、環境省などほかの省庁も参加するよう申し入れたのに対し、▽国土交通省は1月17日、静岡県に3者協議とは別に専門家会議を設置したいと提案しました。 こうした動きについて、愛知県の大村知事は、20日うの記者会見で、「3者協議に各省が入って意見を言うのは、あってよいことだと思うが、新たな会議体を作るのはわれわれから見ると時間稼ぎにしか思えない」と述べました。
「新たな会議体を作る」のは国交省の提案ですが、それを大村知事は時間稼ぎといっています。ちょっと変な感じがしますが、ビデオの中でも同じように言っています。『中日』21日付 "愛知県知事「今更曲げられない」 リニアルート 流量で議論停滞 静岡県を批判" は、 国交省は17日、他省庁ではなく助言役の専門家会議を設置して議論を進める提案をした
と書いて、環境省などの参加も求める静岡県の提案を「時間稼ぎをしているように見えてならない」と批判
としています。大村知事が時間稼ぎと批判している対象が『NHK』では国交省が新たに専門家会議を設置しようとしていることになるし、『中日』では、現在の協議に他省庁を加えよという静岡県の主張になってしまいます。ともかく、大村知事が実際に話したことは、『NHK』のほうが正しく書いています。『中日』によれば、長野、山梨両県で工事が始まっているからルートは今更ぐにゃっと曲げれないと話したそうです。また、スケジュールは変えられないし、2027年開業は必達の目標とも語ったそうです。
1月20日(b) 静岡県知事と大井川流域10市町長の意見交換会が開かれる。 ⇒ 『静岡新聞』 "リニア水問題で知事・流域首長会談 国提案「中立性に疑念」"、『静岡朝日テレビ』 "https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200120-00010003-satvv-l22"、『テレビ静岡』 ""、『産経』 "静岡県が意見集約し国交省へ回答 知事、流域10首長と確認 リニア中央新幹線"、『静岡第一テレビ』 "リニア問題 県と大井川流域10市町が初の意見交換(静岡県)"
1月20日(a) 『静岡新聞』 "リニア問題、JR「工区変更の可能性」 静岡県、影響拡大問題視"。静岡県がいつまでも聞き分けのないことを言っていると、工区の変更をしなくてはならいが、その場合もっと多くの水が山梨や長野に流れるぞと、脅しをかけたような感じです。長野県側からの掘削距離が長くなると、大鹿から出てくる残土の量が多少なりとも増えるはず。とはいえ、ともかく静岡県知事の許可がなければ、何を言っても着工できないことに変わりがないのです。その知事は、ルートを変更したら良いとも言っています。
1月19日(c) 『朝日』長野県版 "防災マップ大丈夫? 「地すべり防止」掲載 市町村まちまち 伊那市、認識なく太陽光に受理書"。伊那市高遠の太陽光発電所の予定地が国の定める地すべり防止区域だったのに、民間会社が提出した事業計画書に対して、事業着手の前段となる受理書を伊那市が出したという話。事業者も市も予定地が法的規制のある地すべり防止区域とはまったく気づかなかったという。地元住民の指摘と現地にある「看板」でわかったというお粗末。「看板」があったのにこんなこと起きるのという感じですが、記事は、原因は自治体の防災マップに県の情報を反映させていなかったからと書いています。伊那市の担当者が現地へ行って確認しなかったか、そういう地形だと思うセンスがなかった可能性が高い。静岡県知事が大井川の河川管理者(※)ということをうっかり忘れていたとしか思えない、JR東海と国交省みたいなものです。 ※ 静岡県内においては、河口から島田市神座(かんざ)付近までの約 24.8km 及び長島ダム区間を国土交通大臣、それ以外の区間を県知事が管理している。
(一級河川大井川水系 中流七曲りブロック河川整備計画)
1月19日(b) 飯田ボランティア協会が天竜川流域の防災を考える学習会。千曲川の堤防決壊の背景の解説。天竜川の支流と地形との関わりや、三六災害の復旧工事に伴う本流の変化に触れながら防災を考える。講師は伊那谷自然友の会の会員で地質学者の松島信幸さん。上郷公民館で13時30分から。参加費1000円。申し込みは、1月15日までに同協会へ(0265-52-9152)(『信毎』12月18日)。 ⇒ 千曲川については田中知事の時代に長野県は流域全体として治水をする必要があるとしていたのに、国交省はそれをしなかった。今回の台風19号による災害はそのあたりに原因があるのではないかという話。浅川ダムは何の役にも立たなかった。台風19号で天竜川では被害はなかったけれど、支流からの土石流災害の心配は大いにあるので安心はできない。また、天竜川の本流の位置は常に変化し続けており、例えば豊丘・高森間の明神橋付近では約60年前は右岸を流れていた本流が現在は左岸に移ってしまった。天竜川沿いの堤内地(人が利用している側、河川敷の外側)の農地を企業用地として自治体が介在して民間企業に売却することが行われているが、企業は廃業すればその土地は別の会社に移る。将来どのような事業の用地となるかは分からない。地域の環境への影響を考えると心配… などの話を聞きました。 ⇒ 関連:「しなの星空散歩会きらきら」の話:台風19号の被害状況について の最後の写真。松島さんが新幹線車両基地付近にあったはずと話した、過去の水害を示す看板ってこれのことか? 場所は、多分、ここ(宮沢自動車板金さんの向い)だと思います。(「善光寺平洪水水位…」、最高水位、上から、1742年、1896年、1868年・1847年、1910年、1911年 の水位)/『中日』21日 "災害時の天竜川考える 飯田でNPO主催の学習会"、『信毎』22日 "飯田で千曲川氾濫と防災考える会 「天竜川支流周辺 対策を」"。
1月19日(a) 川崎市で「シンポジウム・南アルプスにリニアはいらない」。⇒ 詳細 / 関連記事:『神奈川新聞』18日 "南アルプスの自然壊すな リニア建設反対でシンポ"、『神奈川新聞』20日 "「地下トンネルは生態系壊す」 リニア建設反対で学習会"。/『赤旗』 "南アルプス壊す工事 リニア沿線住民ら全国集会 川崎"。
1月18日(a) 国交省が「リニア中央新幹線静岡工区の進め方に係る静岡県への回答書」を公表したことについて、『信毎』が記事を掲載。『静岡新聞』電子版の "リニア水問題 従来議論、前提にせず 国交省、県に会議設置提案"(Yahoo配信では "リニア水問題 従来議論、前提にせず 国交省、県に専門家会議設置を提案 知事「とんでもない」")。『朝日』静岡県版 "静岡)他省庁の参加認めず リニア3者協議で国交省"。『朝日』によれば、国交省の回答は、制度上の接点がなく、法令の手続き上も位置づけられていない関係省庁を当事者として参加させる提案の趣旨を十分に理解できない
、必要に応じて国交省が関係省庁の知見を活用することも検討したい
、リニア工事による大井川の水への影響は「政策的というよりも、科学的・工学的な課題」とし、トンネル工学や水文学の専門家らによる有識者会議を立ち上げる意向を示した
。
1月17日(c) 国交省が「リニア中央新幹線静岡工区の進め方に係る静岡県への回答書」を公表。 → 国交省>報道発表資料:リニア中央新幹線静岡工区の進め方に係る静岡県への回答書の公表 - 国土交通省 ⇒ 静岡の林克さんのフェースブックの投稿。『静岡新聞』18日の紙面があります。林さんのコメントは、「とんでもない」▽リニア新幹線についの大井川の流量減少問題で国交省は、新たな協議に従来の県専門家会議の議論を前提にしないことを難波副知事に伝えた。▽「従来の議論前提にせず」、これではまるでガラガラポン、国に有利な専門家を集めて環境置き去りで早く開業をというようなもの。しかも工学の専門家を集め生態系は無視か。やはり国はJR東海よりだ。▽難波副知事「求めていた内容と違う」、川勝知事は「とんでもないという感じ」。今朝の静岡新聞で目を疑った。
。同様のことが松川町の生田中山の残土置場問題でも起きています(参考)。福与区が安全性を専門家を招き検討したうえで谷埋め盛土に反対しているのに、松川町の宮下町長は安全性について考えてこなかったので専門家を交えた検討組織を設置したいと議会で答弁しています。人間の赤ん坊と他の動物の赤ん坊のボールに対する反応の違いは、ボールがどこから来たかを確認してからボールを追うということだそうです。他の動物はどこから来たか振り返るようなことはしないそうです。ことの経緯を尊重しないような政治はダメです。国交省は返答の中で静岡県の検討に敬意を表すると書いている。敬意を表するなら、JR東海にルート変更を命ずるべきで、そのためには一旦は工事認可を取り消すとか、工事の中止を命ずる必要があると思います。 / その他の報道 →『静岡新聞』(Web版) "リニア水問題 国交省、静岡県に専門家会議新設を提案"、『産経』 "リニア中央新幹線、国交省が新提案も静岡県は不満 依然として見解折り合わず"、静岡放送 "「協議参加は国交省だけ」副知事に回答 国交省 江口審議官 リニア協議の進め方"、『Response20』 "JR東海をしっかり指導・監督したい…国交省が「リニア中央新幹線静岡工区の進め方」を公表"。
1月17日(b) 『南信州』によれば、JR東海が提出した、阿智村の萩の平・広瀬工区の環境保全計画と阿智村の水資源についての調査の計画について、15日に長野県が助言を通知(『南信州』 "環境保全計画に助言 県 阿智のリニア萩の平工区で")。 ⇒ 長野県>リニア中央新幹線に係る計画書及び報告書に対する県の助言をJR東海に通知しました
1月17日(a) 南信教育事務所主催の講演会、「リニア時代の中心で伊那県を叫ぶ」。講師は飯田市美術博物館の専門研究員の青木隆幸さん。15時から、飯田市追手町の長野県合同庁舎講堂。無料、申し込みは15日までに、南信教育事務所飯田事務所へ(0265-53-0461)(『南信州』9日)。伊那県は1868年から71年まで。「当時の地域づくりへの気概」と、「現代のリニア任せの地域づくり」とどう結び付けるのか?/ タイトルがややフザケタ感じに思えたので聞いてきました。明治時代に長野県ができる前の伊那県の時期の伊那県商社事件についての話。懐かしい「自力更生」というコトバが出て来ました。伊那谷では本来は自力更生が伝統だと。「長野県」の「長野」は長野村に由来しますが、なぜそんな場所に県庁を置いたのかの理由が未だに謎(事件性がある)であること。「長野県」の歴史的に見た正当性に疑問を感じる内容でした。そういえば、高森町では最近、広報で「信濃の国」を流すようになりましたが、信濃の国を歌うことで長野県はやっと一体感を保っているみたいな話でした。リニアの中間駅について、「長野県駅」という言い方はけしからんという話が飯沼近辺では出ているそうです。私個人としては、確かに、「長野県」という名前に親しみはないですね。新幹線の開通に期待するような「長野県」の方針は、本来、伊那谷住民にはしっくりこないはず。聴講の機会があれば、是非、おすすめです。
1月16日(a) 『南信州』によれば、10日、飯田市長も出席した、上郷地区の合同新年会のあいさつで、上郷まちづくり委員会の岩崎会長は、リニア関連事業に言及し、飯田市に対して住民に寄り添った対応を求める。
1月15日(c) 『中日』 "新時代2020年の抱負(5) JR東海 金子慎社長 リニア工事 不安を解消/名古屋鉄道 安藤隆司社長 名駅再開発へ財務強化"。 金子氏は、静岡工区の問題について、 同県内は着工のめどが立たず、27年開業に向けて厳しい状況が続く。「環境に十分に配慮して地域の方の不安を解消する。専門家との議論に限らず、将来にわたってどう安心してもらうか、いろんな機会を通して丁寧にお話ししていくしかない」と語る
。 環境に十分配慮したなら南アルプスにトンネルを掘るという発想はなかったはず。「丁寧にお話し」するなら、計画をねる段階なのに、それを全くしなかった。だから静岡でこじれているのは当たり前。ご尊顔のお写真が載っていますが、社長就任時に比べると、かなり自信を無くされたご様子。
1月15日(b) 14日のJR東海、長野県、沿線市町村長の意見交換会の記事:『信毎』 "JR、残土処分30カ所候補調整 天竜川橋梁、近く契約見通し"。『中日』 "残土処理不安解消へ、JRが個別協議方針 リニア工事"。 ⇒ 詳細 / 『南信州』15日(Web) "JRと関係首長の意見交換会"、紙面16日 "残土置場 30カ所で協議進行中 JR東海 意見交換会で首長らに説明"。
1月15日(a) 『MAG2NEWS』(2020.01.15) "ここにもアベ友の影。無茶な「リニア新幹線」がゴリ押しされる訳"。 ジャーナリスト・高野孟さんが執筆。リニア技術のリスクが幾つも解消されていない
ことは確かなのですが、論拠を『選択』においては無理だと思います。超電導リニア方式でなくても、従来の新幹線でも運行できるようにトンネルなどの構造物が設計されているという『選択』の主張はそもそも説得力がない。葛西名誉会長が過去にそんな発言をしたことがあるという情報のほうがまだ説得力がある。しかし、新幹線の規格として最急勾配は15パーミル(15m/1000m)。手前の平坦部からの勢いを使って登りきる非常に短い区間で35パーミルの箇所があるだけ。南アルプストンネルの勾配がもっとも急な場所は40パーミル(工事実施計画申請書付属の路線縦断面図)なので、新幹線車両では無理。つまり、現実として、そのような設計になっていない。技術的に未熟な問題については、阿部修治さんや、西川榮一さん、濱谷泰昭さん、中村信二さんの論考や、北山敏和さんのWebサイト、トランスラピッドインターナショナルのワッカーズ氏の指摘(『日経サイエンス』1992年10月号)、大塚邦夫著『西独トランスラピッドMaglev―世界のリニアモーターカー』などを論拠とすべきだと思います。いずれも「素人」にも理解できるように書いてありますから。ジャーナリストは、論拠の信頼性を確かめずに記事を書くべきではないと思います。また、リニアに関連して、「電磁波」の問題と「磁界」の問題の違いについてほとんど理解されていないようです。問題なのは、非常時に車外に脱出する時、超電導磁石から出ている非常に強力な「磁界」に乗客がさらされる可能性がある点です。容易に指摘できる技術的な問題点は、非常に複雑な仕組みの超電導磁石には、構造がシンプルな鉄の車輪と同等の信頼性がない点です。これは、小中学生でも直感的に理解できるはずです。
1月14日(f) 信州大学の教員がつくる「平和と憲法をまもる信州大学人の会」が「リニア残土の谷埋め盛り土はどうして危険なのか」と題したシンポジウムを開催。講師は、「伊那谷残土問題連絡協議会」共同代表の桂川雅信さん。技術基準に従えば危険はないというJR東海や長野県の主張は、現実に災害が生じているので根拠がない、犠牲者を出さない工夫を考えるべきと指摘したそうです(『信毎』15日)。記事は「盛り土工事の技術基準」と書いていますが、たぶん道路工事の時の盛土の技術基準だと思います。そもそも直接に谷埋め盛り土を対象にした基準はないはず。説明会で批判されるたびにJR東海が提示する図面を変更してきた経緯から見ても。その時のJR東海の言い訳は、変更は県の指導に基づいて安全な方向に変わっているだったと思います。土木技術について素人に近いって、JR東海さん自身が告白しているようなものです。
1月14日(e) 飯田市は、リニアとリニア駅周辺整備関連で、飯田市に立ち退きを迫られている住民に対して、北条・丹保の移転代替地の購入申し込みの受付を開始(『信毎』、『南信州』15日)。
1月14日(d) 『朝日』長野県版 "リニア中央新幹線 予定地を歩く(5) 目前に巨大な高架橋 不安"。
1月14日(c) 『NHK・長野放送局』 "約30か所で土砂受入れ協議JR"。 NHK 報じた30か所は、本山、中山、火沢、小林、清水沢、萩の平周辺など数年前から名前のあがっているところがほとんどで、新たなものは、中沢の20万立米以外は公共事業のなかで使用する受け入れ量の少ないものがほとんどで、14日『信毎』の社説 の 見込まれる974万立方メートルのうち、処分地が決定したのは20・5万立方メートルだけ。
という表現のほうが残土問題の実態を正確に示しています。静岡の問題については、宇野副社長は「静岡県に対しては、しっかりと対策をして工事を進めていくことを伝えているので、できるだけ早く理解してもらえるように進めたい」と述べるにとどまりました。
としています。
1月14日(b) 『信毎』の社説は "リニアの工事 通過地域の理解なければ"。 ⇒ 前項参照
1月14日(a) 長野県とリニア沿線14市町村とJR東海の意見交換会。昨年1月から1年ぶりで、5回目。会場は飯田市追手町の南信消費者センター。15時15分から17時15分。JR東海からは「宇野護副社長(ママ)」が出席予定。会議冒頭以外は非公開(『南信州』9日、 長野県建設部リニア整備推進局)。 ⇒ 詳細 / 冒頭のみ傍聴してきました。傍聴者は全部で6名。今朝(14日、朝刊)の "県民紙"、『信毎』の社説は "リニアの工事 通過地域の理解なければ"。 JR東海が進めるリニア中央新幹線の工事が壁に直面している。… 静岡県が着工を認めていない。 理解を得る見通しは立っていない。JRが目標とする2027年の開業が厳しくなってきた。
と書いていました。意見交換会の冒頭のあいさつは、県のリニア推進部の担当者、南信州連合長の牧野飯田市長、JR東海の宇野副社長でした。ここまでが傍聴可。3人とも、当たり前といえば当たり前ですが、『信毎』が書いている静岡の膠着状況については何も触れませんでした。宇野さんは、皆さんにご心配をかけているくらいのことは言っても良いはず。もっとも非公開の意見交換の中でそのあたりの話が出ていたのかも知れませんが、コントロールしやすい報道関係者のみ、会議終了後取材を許すということなので、「困ったね」みたいな話はニュースにはならないはずです。「困ったね」という話題が意見交換のなかで出なかったとしたら、ここにお集まりの地元の皆様は暢気すぎます。意見は言わないでしょうが、役場の担当職員も参加しており、けっこう大人数でした。
1月13日(c) 『赤旗』 "「歩行者中心」で法案"。国交省が、20日召集の国会に、市町村が「歩行者中心」の街中を整備するための新区域を設定できるようにするための関連法案を提出する方針。
1月13日(b) 『朝日』長野県版 "リニア中央新幹線 予定地を歩く(4) 大井川の伏流水 どうなる"。
1月13日(a) 『朝日』 "静岡)リニア「省」の枠超え対応を 知事インタビュー"。 Q:工法として全量戻しが出来ないとなれば、ルートの変更を求めていくのか
、A:(JRが)考えなさいということ。ルートはまだ決まってないところもある。決まっているところも変更は可能だ。決めるのは国と事業者。私が言うべき筋のものじゃない。 「リニア」対「水」の問題になると、「リニアはいらない」という運動にさらされる可能性がある。それは避けたい。どうしたら解決できるか一緒に考えていきたい。リニアか水かという話ではなく、「リニアも水も」だ。
冗談でなく傾聴に値するコメントだと思います。
1月12日(d) 信憑性という点でちょっとと思う記事。『TOCANA』 "リニア中央新幹線、残土で「ウラン検出」各地で続々か? JR東海が触れたくない“工事の闇”を関係者が暴露!"。 怪しいと思う点(1)地質会社の担当者のコトバとして、南アルプスは活断層なんですよ。糸魚川は静岡構造線断層帯にも近い。
は変! 特に後半、「糸魚川静岡構造線にも近い」ではないかと思います。執筆者もなんにも分かっていない。(2)急に静岡県知事が騒ぎ出したでしょう。あれはウランが出たから
そんなことが本当なら、川勝さんはなぜそれを公言しないのか? 与太記事に思えます。「トカナ」について、「ニコニコ大百科」の説明によれば、TOCANA(トカナ)とは、株式会社サイゾーの運営するオカルト系ニュースサイトである。… 割と情報に不備があることが多く、ぶっちゃけ記事と記者の質は低い。webタイトルに"(風刺記事)"と入れていることも多く、ガセ記事掲載について風刺名目の冗談という逃げ道を作っていると思われる。サイゾーだからね、仕方ないね。
1月12日(c) Youtube の 「SBSnews6」チャンネルに "水問題で対立続く 県・JR・国は… 2020しずおか リニア中央新幹線"。「もっと見る」をクリックするとアナウンスの書き起こしが読めます。4分40秒付近からJR東海の金子社長が登場します。人は見かけだけでは分かりませんが、なにか疲れ果てちゃったという雰囲気ですね。
1月12日(b) 『朝日』長野県版 "リニア中央新幹線 予定地を歩く(3) 残土の「活用」と三六災害と"。三六災害の経験から、トンネル残土を谷に埋めて処分することについては、心配する住民が非常に多い。谷埋め残土が被害を大きくする可能性もある。谷を埋めて良いかどうかは住民自身が決めるべきというのが龍江地区の住民が開いた学習会の講師、松島信幸さんの指摘。ここまでは記事に書いてあること。12月の議会で、松川町の宮下町長は、これまで盛土の安全性について議論がなかったので、生田の中山の候補地について、生東区と福与区との話し合いが進まないといっています。災害が起きた場合被害を受ける福与区が専門家を呼んで安全性について学習会を開くなど検討を重ねたうえで、置いてもらっては困るといっているのですから、松川町長の立場としては、JR東海なり長野県なりに、候補を取り下げると申し入れる段階にあると思います。いまさら、専門家を交え新たな組織で検討する必要はないはず。豊丘村では2016年に小園地区の住民が谷埋めに反対したので、村長がJR東海にかけあって、使用を断念させました。首長は選挙でえらばれているわけです。有権者の投票の一票一票は、すべてが科学的に判断されてなされたかどうかは分からなくても、投票結果を受け入れることになっています。住民の意志を軽んずるような発言は許されないと思います。
1月12日(a) 「伊那谷の自然と文化」学びあい講座第1回、「動く大地 ~伊那谷の活断層と地震~」。講師:村松武さん(飯田市美術博物館学芸員)、会場:飯田市美術博物館2階講堂、午後3時から4時30分。詳細は ⇒ チラシ/ リニア新幹線は、飯田市内の松川を橋梁で渡ります。村松さんは、松川ダム付近に松川に沿った所にも断層があると話されていました。リニアが通過するのはこの少し下流です。
橋梁の東側はハザードマップにも載っている急傾斜の下を少ない土被りのトンネルで通過(黄色の丸印、参考)。/『信毎』15日。
1月11日(c) 『信毎』 "米、環境アセス大幅短縮 トランプ氏方針 産業優先に批判"。これまで平均で5年かかっていた、評価書をまとめる期間の上限を2年に、また民間の出資割合の多い事業はアセスの対象外にするなど後退した内容。
1月11日(b) 『赤旗』の「ひと」が、リニア計画反対を訴え続ける労山自然保護委員長の竹本幸造さんをとりあげる。
1月11日(a) 『朝日』長野県版に "リニア中央新幹線 予定地を歩く(2) トンネル工事「はやり陥没」"。2019年4月はじめにおきた、中津川市山口の陥没事故の話。
1月10日(f) 『南信州』 "後期計画 来月成案へ 南信州広域連合 リニア見据え「複合施設」盛る"。
1月10日(e) 『静岡新聞』 "知事と10首長、1月20日に会談 リニア水問題で初の意見交換"。
1月10日(d) 『信毎』 "ライターオイルで「罰金」6万円 新幹線持ち込み 危険物とは"。新幹線にオイルライターの詰め替え用のオイル缶を持ち込んで、「JR東海」から6万円の罰金を請求された。同様の例でも、JR西日本やJR東は罰金までは請求したことはないという話。これは『西日本新聞』の記事を転載したもの。JR東海の線路の管理に不十分な点があったのに、隣接した農業用水の氾濫だけが路床流出、脱線の原因として、辰野町に数千万円の賠償を請求したJR東海。リニア建設にお金がいるからなのか? こんなこともありました。いまどき、『信毎』がこんな記事載せるとは…。
1月10日(c) 『南信州』 "リニア関連道整備 3つの道路で遅れ生じる 台風対応影響 用地測量や設計などで"。
1月10日(b) 『赤旗』 "「リニア優先」変える 岐阜・中津川市長選 庄司氏立候補へ"。
1月10日(a) 『朝日』長野県版に "リニア中央新幹線 予定地を歩く(1) 進む駅用地工事 鐘楼門移動"。リニアの名古屋駅の工事のために鐘楼を移動したお寺の話。他地域で掲載済み。
1月9日(c) JR東海の柘植会長:2027年(のリニア開業)はだんだん厳しい状況にあるということは確かです。
(『東海テレビ』9日 "リニア静岡工区未着工問題…JR東海の柘植会長「自治体に理解いただく努力重ねる」賀詞交歓会で")
1月9日(b) 『テレビ静岡』 "
川勝知事に聞いた オリンピックにリニアに… 2020年の静岡は"。南アルプスは、(エコパークという)南アルプス独自の価値を持ってます。だから世界の宝物です。それを大切にしなくちゃいけない。そしてそれが水源になって大井川流域10市町を潤してるわけです。潤しているというか、それなくしてこの10市町の生活も産業もないわけです。多くのこの理解を示すメッセージも寄せられていまして、今年はもっと広がればいいなと思います…成田の場合は私有地でしょ。伝来の田畑を持っているのを勝手に収用して取り上げるという戦いだったわけですね。こちらの問題は水なんですよ。水は私有物ですか?違います。公共のものです。この共有水を、一企業が勝手に『トンネルから出る水はトンネルの外に流せばそれで済むじゃないか』というような観点でやってきた。これは基本的に水に対して、軽く見すぎてるなというところがあります…
『産経』 "川勝・静岡知事年頭インタビュー 五輪・自転車競技成功に全力"。タイムスケジュールは変えられる。南アルプスの位置は変わらないが、ルートは変えられる。それらを決めたのは意思決定者だから、乗り出すまで環境を整備する…着地点は考えており、反対のための反対はしていない。ただ南アルプスの水には静岡県民の命がかかっている。着地点はきちんとあるので、そこにもっていくために環境をつくっている。私が今、戦線を広げているのは、意思決定者に早く気付いてほしいからだ…自然は生きている。謙虚な気持ちでもう一度考え直すくらいのことがあってもいい
1月9日(a) 『南信州』 "リニア飯伊工事の進ちょく JR東海古谷部長に聞く(3)"(最終回)。
1月8日(e) 『Response』 "川勝静岡県知事「JR東海には水を全量戻す技術がないのでは?」…2019年のリニア中央新幹線問題"。
1月8日(d) 『岐阜新聞』 "中津川市長選に庄司氏が出馬表明"。
1月8日(c) 『南信州』 "リニア飯伊工事の進ちょく JR東海古谷部長に聞く(2)"。
1月8日(b) 『南信州』 "飯田信金管内 リニアに期待する73% 沿線共同意識調査 不安感じる40.4%"。リニア沿線の、飯田、甲府、山梨、東濃の4つの信金のリニアについての共同アンケートの飯田分の結果。2013年調査に比べ、リニアに期待するという回答が、80.8% から 73.7% に減少、期待しないという回答が、19.5% から 26.3% に増加。2013年は「おおいに」と「どちらかといえば」の合計。不安を感じるが、58.4% から 40.4% に減少、不安を感じないが、35.1% から 53.3% に増加。調査対象が、主に信金の取引先の430人で個人、事業者の比率が前回とかわっていること、山梨の2信金では期待するが40%から50%なのに比べ突出していることなど、必ずしも信頼性のある数値とは言えないとは思いますが、期待するが減少して、期待しないが増えている傾向はあるようです。年度末までに沿線の全体についてのまとめが公表されるようです。
1月8日(a) 8日発売の『経済』の2月号(新日本出版社)に静岡の林克さんの報告 "リニア新幹線にストップ 静岡県内の問題点と運動" が掲載。執筆者のコメント。
1月7日(b) 『信毎』 "リニアのいま 沿線5紙連携 南アトンネル静岡工区 着工越年 水問題 流域理解得られず"。
1月7日(a) 『日経』(長野県版) "2020年信州こうなる リニア 新駅周辺整備が本格化"。 いまだに、どれだけ列車が停車するのかが焦点になっている。リニアが停車する駅にするには、駅周辺を魅力ある街に整備するとともに2次交通網の利便性向上が課題になる。
1時間1本という希望的なもの、1日3本という説。各駅停車の列車は、直通列車の合間をぬって走るので、駅ごとの退避時間がかなり長くなるはず。おそらく選択停車(始発・中間駅1つ・終点)というパターンで週3日~4日、1日午前と午後に上下各1便になるんじゃないかと思っています。他の中間駅へ行くには、どちらかの終点まで行って戻る。もう一つ、乗車定員の16両、1000人も甘いと思います、最初は12両編成で728人になるはず。新幹線、1323人の55%です。「駅周辺を魅力ある街に整備する」とすれば、三菱UFJコンサルタンツの加藤さんが言ったようにカジノくらいしかないと思います。市川宏雄さんも似たようなことを言ってたと思います。駅前周辺整備の市民参加のワークショップで駅前パチンコ屋を提案しましたが取り上げられなかったですね。
1月6日(d) 川勝静岡県知事が仕事始めの挨拶。『静岡放送(SBS)』によれば、(リニア工事の)トンネルか水か二者択一を迫られている。日本の知恵に照らすならば、どう両立させるか知恵を絞らなければいけない。
。『テレビ静岡』 によれば、令和は「環境と生命の世紀」だとして、リニアの工事について「水は命のもと。トンネル工事と水問題をどう両立させるか知恵を絞らないといけない」と話し
た。「二者択一」というコトバを出したなら、「両立させる知恵」にはルート変更も含むという意味になりそうです。ルート変更となれば、現在工事中のかなりの場所で工事を中止せざるを得ないはず。また、『産経』 によれば、川勝知事は「問題ははっきりしている。JR東海の回答が不十分だ」とも述べており、JR側の説明が流域市町にとって満足できるものではないことが協議停滞の原因だとの考えを改めて強調した。
そうです。JR東海の回答が不十分になるのは、リニア技術そのものが未完成な技術であること、工事実施のための事前調査が不十分なこと、にもかかわらずなぜか工期を急ぐことから来ていると思います。 ⇒ ついでですが、静岡県知事の定例会見の記録が、12月3日分まで掲載されていたので、「ようこそ知事室へ > 記者会見」(静岡県) にリンクをはっておきます。
1月6日(c) 『日経ビジネスオンライン』 "1分解説:ゴーン氏がまた露呈させた日本の弱点"。「ルールは守るべき」っていう識者が多いですが、ゴーン氏は、そなこと言えた義理かって思っているかもしれない。
1月6日(b) 『信毎』 "リニア残土処分候補地 県の再募集に8団体から情報"。 JRや地元自治体によると、これまでに決定した処分地は大鹿村と喬木村の計4カ所で、受け入れ量は20・5万立方メートルにとどまる。
これは、荒川荘跡(3万弱)、ろくべん館前(0.5万)、村総合グラウンド嵩上げ(10万)、堰下ガイドウェイヤード造成(7万)で、この合計はかなり前からかわっていません。一方、住民の反対でボツになった容量は642万立米とボツが確定の30倍。
1月6日(a) 『日経』 "中部3知事に聞く2030年への針路 「リニア後」にらみ独自策"。
1月5日(a) 『南信州』 "●リニア飯伊工事の進ちょく JR東海古谷部長に聞く(1)"。 残土処分場については、トンネルの掘削にあわせて発生土置き場を確保するという従来通りの方向で進めている
と、南アトンネル長野工区については、先進坑は小渋川非常口の到達点から釜沢非常口の到達予定点まで約1600メートルのうち約1割の掘削が完了した。除山非常口の斜坑は約1870メートルのうち約6割の掘削が完了した。小渋川非常口~釜沢非常口の先進坑は途中で地質が変わるため、慎重に掘削している。釜沢非常口は、準備工事が完了しだい、19年度中に斜坑の掘削を開始したい。集落が近いため、釜沢のみなさんに説明し、理解を深めていただいた上で掘削する
と、2027年開業に間に合うかという質問には、厳しい工程ではあるが、全力をあげて取り組む
と答えています。なお『南信州』1日付が、飯伊の工事の進ちょく状況(6面)、駅周辺整備と他地域の状況(8面)、古谷氏へのインタビュー(9面)を掲載している。釜沢ヤードのドローンによる空撮写真が載っていますが、周囲の塀が出来ているようです。他のヤードと比べ非常に狭いです。
1月4日(c) 『Itmediaビジネス・オンライン』 "杉山淳一の「週刊鉄道経済」新春特別編: 積み残した2019年の「宿題」 20年の鉄道業界、解決したい“5つの課題” "。 静岡県の主張は、大井川の水と南アルプスの生態系保全です。リニアの静岡工区の問題については2ページ目までなのですが、筆者は、静岡県が着工を認めない理由は大井川の水利と環境問題だった
と書いているのに、JR東海はトンネル湧水の全量を戻すと約束した…静岡県は「全量を戻す方法、しかも水温、水質を適切に放出する方法を示せ」と問いただした…その後、国土交通省も交えた場で、JR東海は工事初期段階のトンネル湧水全量戻しはできないと回答し、静岡県側の不信感を招いた…やっと水問題の本筋に戻った感がある。しかし依然としてハードルは高い
と「南アルプスの環境問題」について「工事初期段階のトンネル湧水」が、事後の補償で償い切れない、非常に重要な問題という静岡県の論点を隠しているようです。 さらに、自然を相手にした工事は不確実性を伴う。従って、従来の公共工事のほとんどは、環境アセスメントによって十分に予測した上で、予測できない事態については対症療法で進めてきた。(2ページ目)
といっています。事業段階アセスメントだからそういう環境影響対策について不確実なやり方が許されている。より進んだ計画段階アセスメントであれば、許されない。日本のアセスメント制度が遅れているのを当たり前とすれば成り立つ理屈。九州新幹線では事後の対策の過程で在来線のトンネルに調査ボーリングで穴をあけて列車を破損させる大マヌケまでやっています(『朝日』2019年7月11日、運輸機構 7月24日 発表)。この事故は、国土地理院の地図上のトンネルの位置が間違っていたためと説明されましたが(『Response』7月24日)、トンネル掘削にあたりトンネル上部の土地について、地下の工作物を所有するために土地所有者にその使用に制限を加えることができる(『民法』269条の2 =昭和41年)のに、30mより深い部分については、用地交渉をせずに工事を進めてきたという慣例があった、また今も行われていることも大きな原因。建設最優先という点で、アセスメントが事業アセスメントのままであることと共通点があると思います。また、この記事の執筆者も相当に頭が古いと思います。
1月4日(b) 『毎日』 "川勝平太・静岡知事「リニアか南アルプスかといえば、迷わず」"。 『毎日』が川勝知事にインタビュー。水資源や自然環境への悪影響から県が着工を認めていないリニア中央新幹線静岡工区を巡り、「県民の生命、財産を預かっている立場としては、(トンネル工事が予定されている)南アルプスの保全に尽きる。リニアか南アルプスかどちらを優先するのかとなった時、迷わず南アルプスだ」と力強く語った。
南アルプスとリニアの問題は、環境をとるか経済効率をとるか二者択一になった。それが昨年末の状況。私は人類の財産を守る使命を持っている。
農業用水、水道、工業用水など、この問題には農林水産省、厚生労働省、経済産業省、環境省が全部関わっているのではないか。国交省だけで仕切れる話ではなく、手詰まりで何もできない状態になった。水の問題があまりにも大きいので、リニアでごり押しできない状態になっている。解決するには政治的な大きな力が働かなければならないところまで来ている。
1月4日(a) 『静岡新聞』 "リニア水問題、越年 JR、静岡工区着工できず"。 流域の関係者はJRの説明に不信感を強めていて理解を得るのは簡単ではない状況だ。
…着工がJRの想定よりも遅れているのは、工事に伴って大井川の水量や水質、南アルプスの自然環境に影響が出るとして流域住民が懸念し、河川法の許可権限を持つ県が着工を認めていないためだ。
…最大の懸案はトンネル湧水の県外流出問題だ。18年11月の県有識者会議で専門家から可能性を指摘されていたが、JRが詳しい説明を始めたのは19年8月だった。金子社長は、自身がこの問題を把握した時期について「技術的な工事の話なのでよく分からない」と述べている。県側は「県外流出は工事計画を作った当初から分かっていたはずだ」と、県への説明など「対応の遅れ」に不信感を募らせる。
鉄道事業を行う企業の代表として「技術的な工事の話なのでよく分からない」というコメントは無責任すぎると思う。JR東海という企業の体質を示している。
1月2日(a) 『リニアホント通信』に "【識者インタビュー】経済学者・橋山禮治郎先生に聞く"。3分17秒付近で橋山さんは、「(超電導)リニアの技術が発表されたのは1966年だから、もう半世紀です。決して新しい技術ではないし、その間に、それをやろうとしたのが、(日本のほかに)2つだけあります。アメリカとドイツですけど、2つとも、完全に、こんなのはやる価値がないということですぐ断念しました。そういうことからいうと、日本は非常に難しい状況にあると思います。」(要約引用、カッコ内は引用者注)と言っています。ドイツではシーメンス、テレフンケンなどが1972年頃から1977年頃までエルランゲンのシーメンスの研究所内に円形のテストコースを造り、2種類の超電導方式の車体を制作し研究。しかし、1977年にドイツは常電導のトランスラピッド方式に開発を統合(※1)。アメリカでは1990年代はじめに、スタンフォード大、マサチューセッツ工科大、グラマン・ノースロップが、超電導方式の実用化に向けたアイデアを出しましたが、完成したというニュースはありません(※2)。1977年に、ドイツで超電導方式の欠点が指摘されていましたが、JRリニアはそのどれも克服できていません(※3)。国鉄はセンスの悪い技術に取り憑かれていたし、開発を引き継いだJR東海(=葛西体制)には技術的な判断力がなかったし、運輸省・国交省は国民に対して無責任だった。世界的に見れば、超電導リニア方式は数十年前に否定された方式であるという点が重要。核燃料サイクルや高速増殖炉によく似ています。インタビューではさらっと流してしまった感じがありますが大変重要な点です。(※2 北山敏和の鉄道いまむかし:アメリカのリニア)
1月1日(e) 『中日』 "リニア 首長らアンケート"。飯田市長のコメント、他県の個別の案件に回答は控える。国が認可した国家プロジェクトであり、27年開業に向け、国の責務の積極的調整の役割を果たすべきだ
。長野県知事のコメント、 それぞれの地域でそれぞれの事情がある中で、個別のお問い合わせにはお答えしかねる。この問題が一日も早く解決することを期待している
。飯田市は駅周辺整備を飯田市の予算で行おうとしているし、用地となることで移転対象となる市民も多いし、市が分譲した住宅団地のほとんどが移転対象になっていたりする。市民に多大の心労を与えている。静岡県内で着工できないことはリニアが出来ないという意味なのに、「他県の個別の案件」と言い切るのは無責任だと思います。長野県知事も静岡で問題になっている場所は長野県と背中わせの場所なのに無責任。
1月1日(d) 潜函工法について調べていて、たまたま見つけたページにあった言葉、土木技術の専門家が2005年1月に書いたもの。 昨年より台風、地震、津波、そして2005年年頭の今北欧にアメリカに嵐と洪水の被害が報じられている。人々はこれを災い、不幸な出来事とのみ見ている。これで良いのであろうか。行いが悪くこれでは将来が案じられると、親にきつく叱られた子供が、とんだ災いだ、不幸な出来事だと、割り切ってしまっているのと同じではなかろうか。▽大自然の懐に抱かれて生かしてもらっている私どもが、私たちの願望から大自然にかくあって欲しいと注文をつけているような、逆転の発想が瀰漫しているように思えて仕方がない。これで中世の教会がコペルニクス、ガリレオたちを異端と決め付けた弊害から脱していると言えるのであろうか。
つまり自然に忖度を求めてはいけないし、そもそも自然は人間に忖度などしない。自然やゼネコンが忖度してくれると考えているようなところがJR東海や国交省にはあるとしか思えない。
1月1日(c) 『信毎』 "JR東海・金子社長 「不安解消へ丁寧に話す」 静岡の本体工事未着手巡り"。 金子氏は「(環境への影響を検証するする静岡県の)専門部会での議論が分かりにくく『心配なことがあるのかな』との印象を持つ人がいる。私たちの言葉でしっかり伝えることに取り組みたい」
。 JR東海の準備不足を棚に上げて、何をとぼけたことを言っているのかと思います。/『信毎』 "JR東海社長「不安解消へ丁寧に話す」 静岡のリニア本体工事未着手巡り"(ネット版)
1月1日(b) 『東京新聞』 "新春・川勝知事に聞く リニアは考え直せ"。リニアの駅が出来る周辺では2027年開業を見込んで開発が進められている。開業が間に合わないとすれば、多くの関係者を巻き込み悲惨な事態になることは目に見えている。
そんなことになったら困るから、日本を、もっと強くする
(?) ために、静岡県は、JR東海の言い分を聞き入れよというような主張と違って、『東京新聞』の川勝氏のコメントのほうが筋が通っているのは明らか。
1月1日(a) 『ZAITEN』2月号がリニアの巻頭特集記事 "安倍晋三を指南する自称"大日本帝国の官僚"―― JR東海・葛西敬之名誉会長 国民に禍為す「リニア」の暴走"。 ただし、リニア開発を競ったドイツは、実験線での死亡事故を機に見切りを付け、08年に撤退した
(p17、3段目)は、具体的には、ハンブルク・ベルリン間の需要予測が過大だったことが判明してドイツ連邦政府はこの路線の建設中止を決定(2000年)、実験線の死亡事故(2006年)、ミュンヘン空港のアクセス路線中止(2008年)、トランスラピッドの開発が終了(2011年)という経緯があります。『ZAITEN』のトランスラピッドについての扱いかたでは、実はたいていのメディアの扱いに共通するのですが、時速500キロで走る列車の技術として、ドイツのトランスラピッドのほうが超電導リニアよりはるかに優れているのに、ドイツ国内では敷設されず、開発も終わったという本当の理由は導き出せないと思います。別の方式と開発の歴史も含め具体的に比較しなければ、それぞれの方式の価値は判断できないと思います。また、その目的の妥当性も。