更新:2020/08/11、08/12 補足

大鹿の工事の様子、8月10日

 7月の豪雨で除山斜坑ヤードの川側の法面がどうなっているか気になっていました。7月21日の様子を大鹿村在住のライター・宗像さんが、インターネットに報告を載せています。また、『ハーバービジネス』に、"「問題だらけのリニア工事」。静岡県側でなく、南アルプストンネル長野県側も驚愕の惨状" を書いておられます。

 8月10日に現地を見てきました。

 大鹿村には、上蔵地区と青木地区と釜沢地区で全部で4つの斜坑口があります。釜沢地区では集落に通じる村道と、工事現場に通じる県道の両方が地滑りで車両の通行できなくなりました(※)。そのため、南アルプストンネルの釜沢斜坑と除山斜坑の2つの工事が中断しています。県道の復旧の見通しは立っていません。

[ 補足 2020/08/14 ] 地滑り発生直後の状況が、Nobi Taniguchi さんのフェースブックにのっています。(2020/08/16 追記)『No!リニア』にも記事があります。

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左は釜沢集落方面の村道。右がリニア工事現場方面の県道でこちらは全面通行止め。バリケードがしてないですが通れません。この写真をみてふと思いました。工事ヤードでは関節ダンプなど大きな建設機械が使われています。右側、県道のこの部分、つまり反対側から見たところなんですが、セフティーコーンの大きさから推測して約2.6m程度、どうやって通したのでしょうか。インパール作戦みたいに分解して運んだという話も聞いていますが…。

 一般車両は通行できないので、この分岐点から村道経由の徒歩で現場を見てきました。分岐点では、調査という腕章をつけた人が鳥の観察をしていました。地滑り地点より先の釜沢集落近くでも観察していました。たぶんリニア工事関連の環境調査だと思います。

 2つの斜坑ヤードのある小河内沢や、残土仮置き場の三正坊には人の気配が全くありませんでした。小河内沢の河原にはいつもより多くの野生動物の足跡がありました。

 除山斜坑ヤードの法面は造成中からわずかとはいっても崩れることがありました。5月18日に行ったとき、大丈夫かなと思った部分でヤードの囲いがなくなったり、補強のための石積みが崩壊したりしていました。

 釜沢斜坑ヤードについては、桟橋から上流にあまり遡上できませんでしたが、川に面した法面は特に被害を受けた様子はなさそうでした。

 小渋川斜坑ヤード周辺では、斜坑ヤードや残土仮置き場(電力変換所予定地)などに直接影響はなかったのですが、小渋川の増水で川岸が一部崩れていました。

 とりあえず、続編を近々掲載する予定です。

続編

小河内沢の右岸のようす (2020/08/12 追加)

 いつも、三正坊橋そばのヤードのゲートの脇をとおり河原に降り右岸へ渡ってほとんど右岸を遡上します。5月に来た時と右岸の様子がかなり変わっていました。

三正坊の残土仮置き場

 釜沢集落内の道路を下っていく途中に三正坊の残土置場の中に迷路みたいな通路があるように見えました。

青木川斜坑ヤード周辺