出来事・ニュース:2019年5月
6月の予定分は、「6月の出来事・ニュース」に移動しました。
5月31日 大鹿村内のリニア工事関係車両の迂回路に関連して、仮橋の予定地の地権者が、JR東海が土地を使用する場合、住民の生活環境を守るためいくつかの条件を提示していましたが、なかなかJR東海が応じないため、長野県に公害調停を申請していました。飯田市内で第1回の調停がありましたが、「成立の見込みなし」として初回で打ち切りに。JR東海は村と交わした確認書と内容が異なる協定を一住民と結ぶことはできないと主張したそうです(『南信州』6月2日)。以前、JR東海の長野県担当部長は環境影響評価以外に地域や住民と新たに協定などを結ぶことはないと言い切ったにもかかわらず、大鹿村と確認書を結んだのですから、個別の地権者と新たに協定を結べないわけはないはずです。村が多くの住民の立場にたっていないのが問題です。
5月31日 持続可能な社会を目指す国際組織の日本事務所「イクレイ日本」と長野県が世界的な環境課題に国内外の自治体が協働して取り組むよう呼び掛ける「長野宣言」を発表(『信毎』6月1日)。宣言は、われわれの社会が持続していくためには地球という惑星の限界の中にに開発・消費を留めなければならない。この目的を達成するためには一極集中かつ経済発展偏重の開発から、循環的で調和のとれた開発への発想の転換が必要で、その鍵になるのが自立・分散型社会(「地域循環共生圏」)を実現することといっています。取り組みの一つに、「経済成長と環境悪化を切り離す(デカップリング)。これにより地域(都道府県)及び市町村をより強靭にし、住民の生活の質を向上させる。(都市環境の整備による健全なまちづくり)」があります。リニアは工事に多大のエネルギーを消費するし、地域を壊しているので、この宣言とは逆方向です。長野県はこのままリニア推進を続けるわけにはいかないはずです。⇒ 「長野宣言」日本語訳文
5月31日 豊丘村村議会の議会改革検討委員会が、村議会の議員選挙が無投票だったことを議会改革が進んでないことが原因との発言をした下平村長に対して発言の撤回と謝罪を求める抗議文の提出を決定(『信毎』6月1日)。
5月31日 飯田市議会の全員協議会で飯田市が市民の意識に関する基礎世論調査の結果を報告。リニア事業への関心についての設問で、3割余が「興味がない」と回答。「興味がある」が6割(『南信州』6月1日)。
5月31日 静岡県の難波副知事が大井川利水関係協議会の席上、JR東海の金子社長の開業が遅れるとの発言にふれ、「そうしたこともあり、なし崩し的に(トンネル本体の)工事がされるのではないかという強い心配を(関係者から)いただいている」と述べる(『静岡新聞』31日)。
5月30日 『南信州』によれば、飯田市は6月5日開会の市議会に、リニア関連移転者の代替地の取得に関する議案を提出する。取得費は約5億3000万円(2万4千平米)を見込む。
5月30日 JR東海が山梨実験線での体験乗車を来年以降一時休止すると発表(『中日』31日)。新型の試験車両の走行試験のため。
5月30日 JR東海の金子社長は記者会見でほぼ未着工の静岡県内のリニアの南アトンネル工事について「他の工区に比べて進捗(しんちょく)が遅れている。この状態が続けば開業時期に影響を及ぼしかねない」と述べる(『信毎』31日)。
5月29日 マレーシア政府が日本や米国などから違法に持ち込まれたプラスチックごみ450トンを強制的に送り返すと発表(AFP BB News29日)。容器プラはリサイクルなんていって分別収集をしてきましたが、実態はかなりの部分はリサイクルされずに海外へ持ち出すか、焼却するかに頼っていたということ。知らないことが結構多いです。
5月28日 長野県はリニアの明り区間について開業後に騒音基準を適用する範囲について検討するよう県環境審議に諮問(『南信州』30日)。
5月28日 鉄道・運輸機構がリニアの中央アルプストンネルの山口工区で起きた陥没事故の推定原因と対策について公表。事故後の調査で不安定な地質と判明。風化した花崗岩とぼろぼろに風化した花崗岩の「介在」した6~8mの地層のうえに、土石流堆積物が10~12m堆積。不安定な地質であったのに不適切な掘削方法をしていたためといっています。⇒ 鉄道・運輸機構≫中央新幹線、中央アルプストンネル(山口)非常口トンネルの地上部土砂崩落の推定原因と対策について 現場に行って見ると、路線決定前であってもそういう場所ということは予想がついたのではないかと、素人目にもわかるような場所です(参考)。/『信毎』29日、『中日』30日、『NHK長野』29日17時11分、『NHK長野』29日10時49分。どの報道も現場に適さない方法でやったのが原因と書いています。『NHK』は地元区長の「周辺は地盤が緩く、崩れたときはやっぱりかという印象だった。」というコメントをのせています。『信毎』によれば、「今後は、必要に応じて地質の専門家の判断を求め、適切な形状の掘削断面で工事する」そうです。残土搬出のための県道改良工事で中川村で起きたトンネル坑口付近の斜面崩落は、現場の工事会社が安全のために工事方法の変更を求めたのにJR東海が工期を急がせ当初の方法で施工したため起きたともいわれています。必要に応じて専門家の判断を求めることを本当にするかどうか?
5月27日 南信州広域連合議会の全員協議会で執行部が「リニア時代に向けた新施設」の整備について「基本的考え方」の検討方針を示す(『南信州』29日)。関連して6月22日に住民説明会を開催するようです。
5月27日 『赤旗』の「主張:歩行者の安全 「クルマ優先」のひずみ正そう」。
5月26日 午前10時頃、JR飯田線・市田駅北側の踏切遮断機が故障。約30分以上にわたり開かずの踏切に。幸い市田駅には高森町・豊丘村などの費用で配置している委託の駅員さんがいて、利用客の通報を受けJR東海に連絡しました。写真は修理の職員が駆け付けたところ。岡谷方面行下り列車が徐行して踏切を通過したところ。一時期は周辺が大渋滞を起こしました。なお、この踏切は狭く歩行者(飯田線利用の高校生が多い)の歩く部分がほとんどありません。地元は数十年にわたって改良を求めてきましたが、昭和30年代のままです(おそらく前身の伊那電気鉄道の開通当時から)。バイパスがあるので、この部分の車の通行量をもっと減らす工夫をすればそれでも良いのですが。現在はゾーン30になっていますが、まだ交通量は多いです。
5月26日 『赤旗』 "「星条旗」を見上げる国 大空襲被災地 スカイツリー 東京・墨田"。
5月26日 『信毎』 "斜面:最初は小さな疑問だった。庭に池を造れないと言われた。…"。
5月26日 『中日』記事 "視座:「時」が生みだす豊さ (内山節)"。社会にはいろいろなストック=蓄積があるが、市場経済は蓄積に価値をおく経済ではない。取引されていくもの中に価値の源泉を求めるものだ。利益の上がらないものは退場せよというのが今日の社会だ。しかし多くの人々が求めている豊かで幸せな社会は蓄積に支えられたものが多い。
5月25日 『赤旗』に山口工区の陥没事故についての記事 "リニア工事で土砂崩落 事前の調査や対応不足 現場近くには民家も"。
5月25日 リニアの南アルプスのトンネル工事で出てくる岩石はどんな岩石でどうやってできたのか。そんな話が聞けると思います。リニアに関心ある方は是非聴講しましょう。飯田市美術博物館自然講座「南アルプスの岩石のでき方」。講師:村松武さん(美術博物館専門研究員)、13時30分~15時、美術博物館2階講堂、申し込み不要、無料。"【内容】南アルプスから流れてくる川には、赤・緑・黒などのカラフルな石が転がっています。これらの石ころがどこで、どのようにできたかを明らかにし、それらが何を物語っているのかを探ってみます。(飯田美術博物館 より)" ⇒ 案内チラシ
5月24日 高森町の壬生町長が高森中の生徒に講話と役場職員を交えて意見交換(『南信州』26日)。
5月24日 東海道新幹線の米原・京都間の下り線でJR東海のN700S電車が走行試験で時速360kmを記録(『中日』26日)。記事は、アメリカや台湾などへの輸出を視野に車両性能の高さをアピールする狙いがあると書いています。ヨーロッパの鉄道事情を見ると高速化は重視されなくなってきているのに。
5月24日 China Daily Com,"Prototype maglev train can reach 600 km/h"(2019-05-24 02:32)。中国で時速600㎞/hで走行可能な磁気浮上式列車の試作品(プロトタイプ)が山東省の青島で発表されたというニュース。試作車は静止状態での浮上実験に成功しているそうなので、また、試作車の写真で明らかなとおり、モノレール式のガイドウェイを走行する常電導方式だと思います。たぶん基本的にはトランスラピッド(開発したドイツの企業はすでに開発を中止)と同じ方式。中国でも高速の磁気浮上式列車を生産できる段階を示すものと中華人民共和国国家発展改革委員会の交通総合研究所の研究者が語ったと書いています。必要性があるかどうかは別として実現は可能だと思います。しかし、中国国内のどこへ敷設する予定などということは書いていないようで、日本の超電導リニアへの対抗意識だけでやってるのかなという気もします。高速の磁気浮上方式ならトランスラピッドが正解で、超電導リニアは「ブー」だということを示すニュースの一つかも知れません。デザインはJR東海のリニアより良い感じはしますね。
(China Daily Com より)
(Youtube:China’s 600 km/h maglev train prototype より)/23日のmsnニュースのこの写真
を見ると、浮上量というよりは正確にはガイドウェイとの隙間(ギャップ)は少ない方が安心感があるという印象を受けます。理屈の上でも実際にもそのようなのですが。
5月23日 飯田市の座光寺地区で風越山トンネルの工法変更についての説明会(『南信州』25日)。JR東海の工法変更についての説明は16日に北条で行われたものと基本的に同じと思われます。住民からは特に異論は出なかったと書いています。飯田市も代替地整備の予定や進み具合について報告。こちらについては共和地区の代替地がアリーナだかコンベンションの候補地になっていることで話が進んでいないことについて「工程が白紙で、住民は行方が見えない」と不満がでたと書いています。北条では、飯田市は昨年の6月に懲りて代替地や駅周辺整備についてはなにも説明しなかったのか、16日の説明会について、『南信州』(17日)も『信毎』(17日)もそのあたりのことは書いていません。座光寺でこのような不満が出たとすれば、飯田市が北条で同様の説明をしたとすれば、住民から厳しい批判の声が多数出たはずです。北条では、JR東海や飯田市の対応に業を煮やして、測量結果に認印を押していない地権者が数名います。(1)おそらく北条では飯田市の説明はあったけれど、住民がまともに取り合わなかった。(2)工法変更で一番関係のあるおなじ上郷の黒田地区では説明会が開かれていないとすれば、問題だし、開かれていたとして報道されないとすれば、住民からよほどの反発があった可能性が高い。
5月23日 『南信州』記事 "座光寺スマートICの準備工事着手"。
5月23日 『日経』記事 "建設 はや「五輪後」の秋風 ゼネコン8社、受注1割減 企業、設備投資を抑制"。記事にはリニアの文字は出てきません。なぜ?
5月23日 『赤旗』に "リニア汚染土 海洋処分計画 JR東海が岐阜県に報告 法の“抜け穴”利用"。
5月23日 『東洋経済』記事 "リニア開業「8年後」、長野・飯田の歓迎と戸惑い"。筆者はリニア推進のはずの飯田信用金庫のリニア担当者に案内してもらったようです。それでも、無理な計画という印象を受けたのでしょう。
5月22日 飯田市の旭ヶ丘中学の生徒が高森町を訪れ壬生町長の講話を聞く(『南信州』25日)。(1)中学生の知恵を頼るほど将来への見通しがないようでは困る。(2)高森町が農業については場当たり的な政策しかなく、優良農地を減らし続けているのに、農業は将来必要などと中学生にウソをいってはいけない。
5月22日 飯田市議会産業建設委員会が天竜峡大橋、龍江工産業団地、リニア中央新幹線中央アルプストンネル松川工区などを見学(『南信州』24日)。
5月21日 『中日』記事 "話題の発掘 ニュースの追跡 歩行者死亡率 高い日本 罪なき犠牲 欧米より突出" は、歩行車の死亡事故が欧米に比べ日本は倍以上なのは、車優先で道路整備が行われてきたからといっています。『信毎』が12日の社説も「政府や自治体をはじめ社会全体が、車が走りやすい道路の整備を優先し、歩行者の安全を後回しにしてきたのではないか」と書いています(※)。『中日』は、また、「欧米だと道路脇に人が立っていれば一時停止の標識や横断歩道がなくても止まるのが普通だ」と水戸一孝秋田大大学院教授のコメントを紹介しています。たぶん、日本の道交法も似たような条項があったはず。歩行者が遠慮しているのをいいことに、ドライバーが茹でガエルになってる。横断歩道を渡る小学生なんかが、車に礼をするなんて、いいことのように見えて、実はおかしなことじゃないかと思います。12日のところで書き忘れたこと。町道の拡幅について、これからは集落内に車を通さないことを考えるべきという指摘に、壬生町長はそういう話をもっと前にしてくれたら考えたのだが、と答えたことです。人の命にかかわることなのに、決まったことだからという神経は信じられないし、かなり話題になって定評のある宇沢弘文さんの『自動車の社会的費用』の指摘は1974年。車優先社会への批判は非常に古くからあり、壬生町長が認識がないという事実も驚きです。そうそう、「リニア中央新幹線を地域振興に活かす伊那谷自治体会議」が、2017年1月19日に建築家の隈研吾さんを招き講演会をしました。隈さんは、これからの地域づくりでは「歩く楽しさ」と「自然が近くに感じられる」ことが重要といっていました。2017年5月には法政大の陣内秀信教授も、似たような話をされました。町長さんもう少し世界の新しい動きについて勉強した方が良いです。(
※ ところが『信毎』は15日の社説で、「ニーズにあった公共交通網を再整備して、高齢者が車を持たなくても生活が成り立つ仕組みをつくることだ」なんて言っています。12日より後退した感じです。今から50年前ころまでは地方の小さな集落でも車なしで生活できたということを思い出して欲しいです。
5月17日 飯田市女性団体連絡協議会の総会。総会後「リニア開通に向けての取り組み」と題して市担当課を講師に研修会を開いたそうです(『南信州』23日)。
5月17日 JR東海の金子社長は記者会見で、初乗り運賃を140円から150円に値上げすることを国交省に申請すると説明(『中日』18日)。
5月17日 ストップ・リニア!訴訟の第14回口頭弁論(東京地裁)。/案内/ 3月に提訴された「その2」訴訟については、「ストップ・リニア!訴訟」と併合審理されることになりました。速報、5月18日 /『信毎』18日
5月16日 『日経』記事 "ゼネコン大手4社減益 労務・資材費 上昇補えず 業績は上振れ余地も "。
5月16日 『南信州』によれば、長野県の「県政出前講座」の今年のテーマが決まったそうです。全部で127の中には「リニア中央新幹線」(建設課担当)もあります。県内在住、在勤、在学するおおむね20人以上のグループが申し込みできるそうです。県で決めた日に行うものではありません。申し込んで県と日程等を打ち合わせてというやり方です。リニアに疑問を感じている人、反対している人で講座を申し込んでみるというのも面白いかも知れません。向こうの言い分をきちんと正確に理解・認識するということも大事です。
5月16日 JR東海は北条自治振興センターで行われた飯田市との合同説明会で、風越山トンネルの東側の区間についてシールド工法で掘削すると説明。掘削残土は、シールド発進立坑から土曽川左岸の座光寺唐沢の工事ヤードまでトンネルを掘ってその中をベルトコンベアで運ぶことを検討中。住民約40名が出席。『信毎』は昨年6月の説明ではベルトコンベアの設置について「ベルトコンベヤー設置を検討しているとしたものの、具体的な構造は未定としていた」と書いています(『信毎』17日)。『南信州』17日(紙面18日)によれば、来年春ころまでにコンベア用トンネルの詳細な設計をするようです。シールド区間は丸山町から東。コンベア使用については "JRは「地元の意向を踏まえて1年間検討した」と強調。" したそうです。どちらの新聞も飯田市の説明について住民の反応を書いていませんが、出席者から聞いたところでは、今回も昨年6月同様に住民から厳しい指摘があったようです。北条地区では、移転対象者のなかで測量結果についての認印をいまだに押していない人や、強制執行まで頑張るという人も出てきています。『南信州』がコメント載せている木下喜文北条地区まちづくり委員長は、トンネル入り口にもっとも近い住民のお一人です。リニア工事に対する対応が、路線から相当離れたところがお住まいだった全委員長とは違ってくるのでははないかと思います。
5月16日 国の財政制度審議会で財源の目途がたたず進んでいる整備新幹線事業について、財務省側がJR各社の負担増の検討を提案。北陸新幹線(金沢・敦賀)、九州新幹線(武雄温泉・長崎)の事業費が3451億円増えることが判明。国と地方で負担してもあと522億の財源の目途がたたず、財務省はJR各社に負担を求めたが調整がついていない。また両新幹線の工事区間の費用対効果は1を下回ったとの指摘も出た(『朝日』18日)。 関連して『日経』16日記事 "建設中の新幹線 費用対効果低下 北陸や九州、最新の試算 着工条件の甘さを露呈" によれば、費用対効果は北陸が0.9、九州が0.5。どちらも着工時には1.1。"もともとの整備計画ができた1973年から人口や財政の状況が大きく変わった。建設のメリットとデメリットを精緻に議論すべき段階に来ている(『日経』)"。リニア方式の発想も1960年代です。
5月15日 高森町の出砂原地区館(飯田線市田駅周辺の集落)で町政懇談会。5月9日から各地区ごとにはじまった今年の懇談会はワークショップ形式。「通常の懇談会では声の大きい人だけが発言する場になりがち」との壬生町長の理屈が新聞で報じられました。さて、遅れて行った私の加わったグループには話好きのオジサンが約2名おりまして、比較的大きな声で議題と関係なくしゃべり続けるので、会全体の進行がどうなっているのかわかりませんでした。で、いつもの住民のお困りごとについて発言や質問する時間はほとんどないという状態。これでは意味ないね。ただし、壬生町長は出された意見のうち全部を取り上げるわけにはいかないが・・・と申されました。つまり、住民からの意見のうちお役人の都合の良い所だけをつまみ食いして自分の手柄にしようという話じゃないですか。それに、なにか住民自身が金を稼いで町に貢いで欲しいみたいなこともおっしゃられた。花火について町が主体になってくれないと住民は大変という意見について、そういう申し出はお断りするといっておられました。まあ、この点は確かに町長の指摘の通り。そもそも川施餓鬼は仏教行事でその付属の灯ろう流しと花火は、出砂原の商工業者が元気だった時代に始まったもので、商工業がほとんど廃れた現在、それを伝統だとかなんとか言って続けようというのが無理。止めようという意見は本当は大多数なのですが、かってアンケートで止めたいが大多数だったのに自治会役員が結果を握りつぶしたということもあったりして、だらだらと続けて住民に労苦を強いているだけのようにも見えます。戦争にしても、リニアにしても、いまだに工業誘致なんて言ってる町の産業政策にしても、花火にしても、やめればよいのに止めれないというのは困ったもの。/『信毎』17日記事 "平成を振り返り 高森の将来探る 住民の将来探る 住民懇談会7月まで開催" が出砂原地区館の模様を掲載。「平成を振り返り」でおしゃべりオジサンたちの会話が止まらなくなったのです。住民から「便利になったが空き家や空き店舗が増えた」という声がでたと書いています。出砂原には駅があり、昔は、バス路線が4つ通り、食料品、衣料品雑貨など日常のものは歩いて行ける範囲ですべて買えるところでした。医者、銀行、郵便局から飲食店、映画館やパチンコ屋、銭湯までありました。商店がほとんどなくなった今、車があるなら困らない程度に不便になったというのが事実だと思います。クルマがあるなら駅に遠くても、商店に遠くてもまあいいかということもあり、狭い地域に密集して暮らすよりはということで、またほかの理由もあって、他へ移る人も増えました。/町道拡幅の日程で令和何年になんとかという説明があり、何年後なのかハテナというところもありました。/『信毎』の記事には、「本年度は初めて少人数での参加型講座形式を取り入れ…」とあります。だから町長がみんなに教えてやってるんだという印象を与えたと思うし、参加者は常会長とか自治会の回り持ちの役職を持っている人ばかりだったような気がしました。だんだん町政が住民から遠のきます。
5月15日 先月の記事ですが、『西日本新聞』のサイトのファンファン福岡に "5歳児の鉄オタ男子の叫び!「僕はこだまに乗りたい!」 (4月23日)"。飯田でも、山梨でも、またJR東海さんも、小学生や中学生をリニアに感化しようと大人が一生懸命になっていますが、子供の本心なんてこんなものだと思います。小学生のころに東海道新幹線が開通しましたが、当時は蒸気機関車の方に興味があって新幹線にはほとんど興味はありませんでしたね。まして、リニアモーターカーなんてという感じです。飯田線に「流電」などの旧国電車両やED19、ED26、キハ58、湘南型などが走っていた時代の話です(リンク先の写真よりさらに10年程まえ)。子供のまま大人になった鉄道ファンの読む雑誌にリニアの記事なんかほとんど出ていません、書店の店頭で確かめてください。
5月14日 「ラウンドアバウト普及促進協議会」の定期総会(『南信州』17日)。
5月14日 『南信州』に長野県飯田建設事務所長へのインタビュー記事。丸山義廣所長は、『南信州』の「残土置き場の確保が課題になっている」との問いに「発生土置き場への運搬ルートを確定できるよう、道路整備や地元調整をJR東海と一緒に進めたい」と回答。この発言はいまだに残土置き場がほとんど決まっていないこと示しています(参考)。また答え方も問題点をそらしています。5月13日の『信毎』の残土についてのリポートでは、JR東海が費用を負担し長野県が依頼した専門家の検討委員会でさえ当地域での残土の谷埋めや盛土についてはかなり否定的な見解を示しています。長野県としても本当のところはJR東海が希望する谷埋めについては困ると思っているのではないか。阿部知事が以前に残土置き場をJR東海が買い上げることも考えたらと提案したと思います(2017年1月23日、阿部・柘植会談)。しかし、買い上げてJR東海が未来永劫に責任を負うとはいっても、会社がいつまで存在するのか、責任はとるのだから自分のやり方でやらせろ、文句を言うなでは困るわけです。建設事務所長が明解に回答できない事実を載せた『南信州』はさすが地元紙! 残土の問題についての住民の心配には根拠があるということです。リニアをとるか安全をとるか。近くの谷に捨てなければ成り立たない事業の計画なのですから、そもそもリニア計画とリニアの技術そのものに大きな無理がある。JR東海も長野県も国交省も早々に白旗を上げるべきです。リニアについては反対・賛成ではなく、私たちも、まずは、実現が可能なのかどうか考えた方が良いと思います。 関連ユース ⇒ 『日経』2014年6月3日 "リニア新幹線「土砂処理が焦点」 影響審査で環境相 "、『日経』2014年6月5日 "リニア新幹線「地下水、残土対策を」 環境相意見書 "
5月14日 『日経』記事 "土地の放置 抑制策 国交省、自治体に対応促す"。
5月14日 『日経』で "迫真:老朽インフラと闘う" の第1回は、「蛇口から水が出ない」。リニア駅アクセスで道路整備をするより先にするべきことはあるんじゃないかと思います。それらの費用を見越して将来負担率がやや大きいというならわかります。国の基準から行って安全圏にあると説明されても、高森町の場合は、少なくとも周辺の南信州広域連合内の他の自治体に比べとびぬけて大きいのですから気になります。
5月13日 改元だとか、天皇の退位・即位の関係か何かで、時期を遅らせた春の交通安全週間はじまる。だから各地で続く大事故を招いたと批判する人もいました。高森町では交通安全協会の代位議員(常会から1人選出)が国道153号線の駐車帯で街頭アピール(人並作戦)。大津の保育園児の事故のように道路わきに人が集まるのは本来危険です。警察官が1人いるだけ以外は、駐車帯の前後に制止する要員を配置しているわけでもなく、ラッシュアワーに、100人以上の人が駐車帯付近に集合するということ自体が交通安全の点ではちょっとねという行事です。アピールを始める前に安全協会長、駐在所長などの挨拶がありました。アピールの途中で「町長が来た」ととなりにいたオジサンが言いました。アピールが終了してまた集合した時に壬生町長の挨拶がありました。忘れていて遅れました申し訳ありません…。正直は良い。しかし役場の職員気分が全く抜けていないなという印象を受けました。県議選最中にあった安協総会のあれは何だったの?
5月13日 『信毎』に記事、 "リポート:巨大盛り土 安全性は リニア残土 大鹿と中川の計画検討継続 断層・急峻・弱い地盤 専門家「崩落時の対処想定を」"(『信毎』13日)。この有識者検討委員会は長野県(半の沢)、大鹿村(鳶ヶ巣沢=アカナギ)が「砂防フロンティア」に設計や調査を依頼した中に含まれるもので、費用はJR東海が負担しています。研究者、学者としての在り方を問われるので、記事を読む限りは、やはりかなり厳しい指摘がなされているようです。住民の不安には根拠があるといえます。豊丘村の小園の約50万立米の置き場候補地についても、住民が不安からダメだと声をあげたので、JR東海は使用を断念せざるを得ませんでした。JR東海は安全と説明しながら、実は危険なことは十分理解しているはず。山梨の境川PAそばのリニア残土を埋め立てた場所も全く有効利用がされていません(参考)。危ないからです。
(アカナギ下=鳶ヶ巣沢の目を見張る特異な景観。写真の右上方に落差550mに達する蛇紋岩の崩壊地があります。川の中の林のあたりに残土を盛土する計画。)
5月13日 南信州広域連合会議と地元選出の県議が懇談(『南信州』14日)。 "高森町の壬生照玄町長は「リニア開業が迫る中、広域全体でどのような地域づくりを進めるかの議論が重要で、県議なしでは進まない」と協力を求めた" と述べたそうです。だからって、主犯がだれかわかりませんが、こんなことしていいのかなと思います。
5月13日 JR上場4社(東、東海、西、九州)の2019年3月期連結決算で売上高過去最高(『信毎』14日)。
5月13日 名古屋市は名古屋駅前再整備で東口と西口の広場について市民のアイデアの募集を開始(『中日』14日)。
5月12日 『信毎』社説 "歩行者の安全 後回しにされている"。「政府や自治体をはじめ社会全体が、車が走りやすい道路の整備を優先し、歩行者の安全を後回しにしてきたのではないか。」 高森町の町道7290号線はリニアのガイドウェイヤードや下市田河原の水田地帯を企業団地として企業誘致のために拡幅されます。拡幅する部分は実は集落内の道路。天竜川の明神橋の西詰にはラウンドアバウトを設置という計画。町は住民から要望があったというけれど、地元では誰がそんなこと言ったんだという感じ。住民は最近車が増えてきて事故が心配だと言っただけなのに、通過車両が通りやすい環境をつくるという話になっている。『信毎』の社説の指摘通り、思考がワンパターンというか、何も考えていない。ラウンドアバウトは1日1万台以下の交通量が適正なのに明神橋の西詰は1日13400台。といって短い区間に2つの信号はダメというのが公安委員会。だったら、7290号は拡幅せずに車の通行を制限すればよいはず。宇沢弘文さんの『自動車の社会的費用』は1974年に出版された本。志村建世さんのブログが解説しています。町役場の職員も最近は大学卒がいます。が、最近彼らのやることを見ていると新聞も本もほとんど読んでいないという印象を受けますね。それから住民の声も聞かない。なのに町の「令和の時代」の新しい町づくりをなんて言ってるのですから困ります。志村さんの解説:「宇沢氏は、発明物の普及には、その社会的費用の「内部化」が不可欠であると説いています。得られる利益が、社会的費用をすべて償って余りある場合に、はじめて新技術は許されるというのです。」 リニアについても同じことが言えると思います。
5月12日 『朝日』の投書欄に静岡県の服部さんの「リニアよ 南アに穴を開けるな」という投書。
5月12日 高森町杉の木ホールで憲法祭り。講演と憲法カフェ。詳細は分かり次第掲載します。 ⇒ 「たかもり憲法まつり」、高森町福祉センター2階大ホール、5月12日 13時30分より。基調講演「憲法が変えられると私たちのくらしはどうなるの」、講師:宮下与兵衛さん(首都大学東京特任教授)。憲法カフェ(ちょっと話しませんか??)ほかの企画あり。詳細は ⇒ チラシ/『信毎』14日
5月10日 『赤旗』の「今日の潮流」。「経済、生計、食料安全保障、健康、生活の質を支える真の基盤を私たちがむしばんでいる」
5月10日 『中日』の「中日春秋」は、イソップの「金の卵を産む鵞鳥(がちょう)」の話。イソップはこう結ぶ。「欲張りは今以上のものを欲しがって、今あるものを失ってしまうのだ」。リニアについても言えます。
5月10日 『信毎』記事 "一般質問 レベル高めるには 高森会が初の勉強会"。勉強しないよりした方が良いけれど、60過ぎた爺さんたちが今まで何してたのって気にもなります。勉強するよりは、住民の声に真摯に耳を傾けることが大事だよ。住民の町政への疑問に対して「それはもう決まったこと」なんて答えてちゃダメですね。豊丘村議会と比べると高森町の議会はぐっと品質が落ちると思います。
5月10日 『日経』記事 "トラック長時間運転 限界 運送業界、負担軽減を要請 荷主に供給網見直し迫る"。
5月10日 宮崎県で震度5弱の地震。震源は南海トラフ地震の想定震源域内でM6.3(『信毎』11日)。
5月10日 所有者不明の土地を一定の条件で売却できるようにする法案が衆議院本会議で全会一致で可決(『日経』11日)。法務局の登記官等による調査でも特定できない場合、裁判所が選任した管理者が売却できるというもの。
5月9日 豊丘村の下平村長が村議会本会議の開会挨拶で「無投票になったことで、定数を削減しなかった議会の方針が間違っていたと、村民の多くは考えている」と議会を批判(『信毎』10日)。
5月9日 JR東日本が新幹線の新型車両「ALFA-X」を公開。先頭車両と最後尾車両の先端のデザインを変えて空気抵抗を減らす工夫をしているそうです(『信毎』10日)。リニアこそ本来はそうすべきなのですが、どうもそれはやらないらしいし、やるとして、蒸気機関車時代と同じように、始発・終着では転車台がいるんじゃないかと思います。「ALFA-X」でも同じです。そんなにスピードにこだわる必要はないと思いますが、試験走行ながら時速400㎞/hはだせるそうなので、60年の歳月をかけて開発して、まだ営業運転もできていない時速500㎞のリニアってどうなんでしょう。
5月9日 国土交通省の天竜川上流河川事務所が、阿南町や天龍村で行う地滑り対策事業について、天龍村老人福祉センターで説明会を開く(『南信州』11日)。2015年頃から調査をした結果、天龍村の平岡駅、役場、中学校、駐在所などがある地域が地滑りブロックに含まれているとが判明。また阿南町開窪地区や天龍村の中井侍地区で地滑りが起きた場合は天然ダムが形成され、平岡地区に被害が及ぶ可能性があるそうです。で、土中の水を抜く対策をするというもの。おなじ下伊那の中でこういう場所があるのに、特に必要とも思えないリニア工事の残土を同じような対策をしながら谷に捨てるというのはどう考えても納得できません。 関連ページ ⇒ 大鹿村入谷の地すべり対策、ほかに下條村の合原でも集水井戸などで地滑り対策が行われています。
5月9日 高森町の「町政懇談会」がはじまる(『南信州』11日)。従来は、町政懇談会は秋行われてきました。今年は各地区の自治会の役員が交代したばかりの時期を狙ってスケジュールを組んだようです。また、やり方も、ワークショップ形式と役場職員の苦労は大変です。壬生町長は役場職員から選挙の洗礼を受けず当選したのですから、新しいことをやる前に、町政について一番知っている住民の様々の意見を虚心坦懐に聞くというのがあたりまえ。正直なことは良いが「声の大きい人」という言い方は大問題。『南信州』はこの失言をきちんと記録しています。
5月9日 南木曽町のリニア中央新幹線対策協議会で、リニア関連工事に関する確認事項の素案が示される(『信毎』10日、『中日』11日)。
5月9日 SankeiBizの「論風」、 "リニア、時速500キロの世界 地震へのリスク対応は万全か (渡辺実)"。 ⇒ 詳細
5月8日 『赤旗』記事 "駅ホーム 列車接触事故 3年連続減"。4月28日に時事通信の記事でほぼ同じ内容の記事がありました(『乗りものニュース』4月28日、『赤旗』は5月5日にも。)。4月29日に似たような内容の記事が『日経』にありました。結局同じこと言っているのですが、数字の扱い方、説明の仕方の違いが面白いと思いました。
5月8日 山梨県南アルプス市のリニア新幹線の路線そばの住民が工事差し止めを求めて甲府地裁に提訴(『沖縄タイムス』8日 = 共同)。共同通信の記事ですが、沖縄の新聞も載せたほどに、リニア新幹線の建設には国家的に大きな弊害がある事業。なお、2016年には工事認可の取り消しを求め、一都六県の沿線住民七百数十名が原告の訴訟が起こされ裁判中です(5月17日に第14回口頭弁論)。/『赤旗』9日、『信毎』9日
5月7日 飯田市の牧野市長が記者会見で1週間以上前に起こした交通人身事故について記者会見で報告(『信毎』8日)。一時停止の決まりに形式的に従ったが、安全確認はしておらず、実質はルールを無視していたということで、牧野氏のリニア新幹線についての姿勢も住民を守るための決め事をほとんど実質上は無視している点で共通するところがあります。
5月7日 松川町の新町長、宮下智博氏が発登庁(『南信州』8日)。"式後の会見では、多くの町民や報道陣が詰め掛けた初登庁について「若いことで関心を持ってもらえた。それだけでも価値がある」と感謝。今後の町政へ向け「新人が現職に勝つのは、問題があるから。まずは住民間のトラブルになっているリニア残土や太陽光課税問題に早急に対応したい」と話した。" 下線の部分は意味がよく分かりませんが、相変わらず「住民間のトラブルになっているリニア残土」という考え方は改めて貰わないと困ります。トラブルの原因は残土の谷埋めについての町の態度姿勢にあるのですから。
5月5日 『赤旗』によれば、4月28日の衆議院内閣委員会で共産党の塩川鉄也議員がデジタル手続き法案の問題点をただしたそうです。
5月5日 3月11日に日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんが飯田市内で講演をしました(おひさま進歩エネルギー株式会社)。最近、飯田のケーブルテレビで講演の様子が放映されているようです。テレビを見た方、直接聞いた方から伺いました。リニアだとか、三遠南信だとか航空宇宙産業など、当地の行政がやっていることでは、結局は東京に主導権をもっていかれてしまう。ところが農業は生産も販売も多様性があって自分で判断できる仕事だと。リニアについて、飯田の中間駅に1日に停車する列車の本数は3本ということを知っているかと藻谷さんは問いかけたそうです。1時間に1本停車するというのは、そうであればよいと思い込んでいるだけのことではないかという指摘です。確かにJR東海もダイヤについて確定したことは何も言っていません。ぐるみ通信バックナンバーのページの402号に講演の要旨がのっています。『南信州』3月17日。
5月4日 リニア時代を見据えた「ランドスケープデザイン」シンポジウム。「エスバード」(旧飯田工業高校)で13時~16時。基調講演:福井県立大・進士五十八氏(「ランドスケープデザイン」)、武蔵野美大・柏木博氏(「風景をつくるということ~盆栽から現代美術まで」)。パネルディスカッション「ランドスケープデザインの学び舎構想」。3日までに、南信州・飯田産業センターへ申し込み必要。参加無料。FAX 0265-24-0962、メール info@isilip.com、電話 0265-52-1613 ⇒ 詳細・案内チラシ/『信毎』5日 "飯田公共空間どうデザイン リニア開通見据え 研究者らシンポ"、『南信州』7日 "「大学院大学で飯田から」 準備会 景観デザイン巡りシンポ"。「景観(ランドスケープ、ランドシャフト)」は基本的には守るものであって造るものではないと個人的には思っているので、このシンポの発言者の意見はちょっとどうなのかなと、新聞を読む限りは思いました。文化的景観という視点があるのかなということも疑問です。